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カテゴリー: ultrabook

  • ultrabook、日本メーカーの対応を見てみる

    こんにちは、tknriiiiです。
    日本メーカー数社からもultrabookが発表されていますが、やはり外国勢に比べて高いのがネックになっています。
    とはいえども、元々薄くするとか小さくするというのは日本メーカーのお家芸、ここで負けるわけには行きません。
    今回は日本メーカーのultrabookに対する対応を探ってみたいと思います。

    まずはultrabookの概略を少々

    ultrabookとは、Intelが提唱する「薄くて、軽くて、速くて、安い」という、どこかの牛丼屋で使われたキャッチフレーズのようなノートPCの事を指しています。
    たとえば、古くはDECのDigital HiNote Ultraや、VAIO Z505シリーズなどがそこに似たシリーズとしてあげられます。

    ultrabook1-asus
    ASUS製ultrabook

    最も、両者とも「安い」は無かったのですが、時代背景もあるので仕方が無いことでしょう。
    バッテリーの技術が上がり、長時間駆動するPCが作れるようになり、同じく技術の向上で低価格でも結構良い感じに動くPCが出てきて、かつて言われていた「DynaBook構想」も現実のものとなりつつあります。 現実とするために挙げられたのがこのultrabookという訳です。
    ultrabookは、これからのノートパソコンのあり方を変えるとIntelは言っています。
    現実問題として、薄くて軽くて安くて速いならば誰でもコレを買うことでしょう。
    ただ、まだそこまでの域に達していないのも事実です。
    こんごにきたいという所でしょうか。

    第一陣はやっぱり東芝

    日本メーカーはまだこの分野に大きく出てきていません。
    一番最初に出てきたのはノートパソコンではどこにも負けたくない東芝です。
    東芝と言えばDynaBook、この名前は前述の構想に基づいた名前で、もちろん日本以外では商標として登録できていないので日本だけでの名称となっている。
    一時期(1997年~99年頃)は、世界のノートパソコンの5台に1台は東芝製ですなどとちょっと強引なことを言っていたこともあります。
    さて、その東芝は、DynaBook R631をリリース

    元々このDynaBookはベースとなるR600系列があり、元々ノートパソコンの設計には定評があります。

    *1 JEITA1.0と言われており、測定方法は小さい動画を省電力モードで流し続けて何時間駆動するかと、液晶の光量を最小にして放置し何時間駆動するかを足して2で割った値を表示して良い事になっている。
    現在のほかの測定方法に比べて明らかに長時間となる測定方法だ。

    その東芝が放つUltrabookは重さ、厚みでは最高クラスでバッテリー駆動時間も最大9時間と長く設定されています。
    しかし、このバッテリー駆動時間は、JEITA基準の測定方式(*1)なので当てになりません。
    現実味を帯びた測定方式ではないため、実際にはこの半分以下の駆動時間ではないかと思っています。
    スペックなどを考えると、競合他社には価格で負けますが液晶の品質を含め本体品質が高ければ良いと思っています。
    メモリー交換が不可能となっていたり、SSD容量が128GBとやや少なめなのは仕方が無いところでしょうか。
    ただ、「薄くて軽くて安くて速い」を考えると、安いと言うところに当てはまらないのがネックです。
    コレは日本メーカーすべてに言えることですけどね。
    さらに東芝は2012年春モデルとして後継機種DynaBook R731をリリース。
    ダイレクト特価では他社に負けず劣らず安い価格で提供されています。(参考http://toshibadirect.jp/c/cpc-r73et/
    かなり気になる一品ですが、他社も追随してくることでしょう。
    今後の展開が気になる一品ですね。

    富士通も海外で発表している

    富士通は海外モデルとしてLIFEBOOKブランドで発表。SH771は標準で13時間駆動、オプションの増設バッテリーを使えば最大18時間駆動が可能、ただし測定方法は例によってJEITA1.0なので、実質半分以下かもしれませんが…。
    価格は$1800~とかなり強気の設定となっており、日本の設計であることで品質が高いことを謳っています。
    とはいえ、他社と比べて3割~4割高い価格設定ではどうなんだろう。
    また、国内ではultrabookとは名乗っていないが、LIFEBOOK SHシリーズとしてultrabookに近い製品を出しています。
    厚さなどが基準に合わないようだが、光学ドライブも搭載しSSDモデルではクイック起動も搭載しています。
    SSDなどを搭載しなければ10万前後から購入が可能(クーポン利用時2012年1月末現在)なので、ultrabookにこだわる必要が無い人はこちらを選んでも良いでしょう。

    SONYはプロトタイプをCES2012にて展示

    VAIO Z505、当時のultrabookのようなPCを出していたソニーはCES(アメリカ最大の家電ショー)にてプロトタイプを展示していました。(ソース:http://japanese.engadget.com/2012/01/17/13-vaio-ultrabook/
    ただし、まだ本当のプロトタイプで触れることもできなかったようなので、まだこれからと言ったところでしょうか。
    元々こういう薄いPCを作るのが好きだったSONY、他社に後れを取るわけにはいかないでしょう。
    恐らくスペックは他社と同じ、Core i5かi7を搭載してSSD 128GB程度となりそうです。

    NECは出遅れ気味、まだはっきりとしていない

    NECホームプロダクツはまだultrabookを出していない。発表もこれからという有様。
    日本ではトップシェアを誇るNEC、王者の余裕なのか。
    Lenovoとの提携といい、NECはパーソナルコンピューターに対してフェードアウトを考えているように見て取れる。
    今後の展開が楽しみでもあり、不安要素もあります。

    小型ノートでは定評のあるPanasonicも沈黙

    PanasonicはLet’s noteシリーズで小型、長時間駆動のノートパソコンを出している。
    このultrabook市場はLet’s noteにとって目の上のたんこぶとなる可能性を秘めている。
    今まではモバイルノート市場で大きくシェアを持っていたPanasonicだが、ultrabookが主流となればLet’s noteの存在意義が薄れてしまう。
    もちろん開発はしているだろうがまだ市場に出てきていない。様子見という所なのだろうか。
    ただし、2012年1月25日に何かが起きる。として専用サイトをもうけているので、ここで発表されるのかもしれない。
    この文章を書いている時点ではまだカウントダウン状態なので、昼過ぎに楽しみに見てみたいと思っている。

    Ultrabookは伸びる市場です

    ネットブックがこね、ULVノートが突きしノート市場、最後にそれを食らうのはultrabookだと思っています。
    ただ、単価を思ったほど下げられない日本製ノートパソコンは今後も苦戦を強いられる可能性が強い。
    安かろう悪かろうだったAcerやASUSも日本市場で「そこまで高い品質はいらない」というユーザー向けへのアプローチを行なっています。
    このユーザーはかつてヘビーユーザーなどと言われたパソコンに使い慣れているユーザーが多い。
    こういったユーザーはPC購入の相談を受ける事も多く、知らないうちに営業マンとなる事が多いのですが、どうもそこを軽視する傾向が強いのが今の日本メーカーのように見受けられます。
    確かに、大多数のユーザー向けのものを作っておけばそれで事足りるのかもしれませんが、世界シェアではたいしたことが無いという現実がある以上少しは考え直してもらいたいとも思ってしまいますけどね。