iOS9でPC化するiPadはどこへ向かおうとしているのか

iOS9がリリースされました。このOSの大きな特徴としては、マルチタスク化やキーボードショートカット、そして3Dtouchによる新しいインターフェイスなどが挙げられます。しかし、これらは本当に必要な機能なのでしょうか。

iPadは元々PCではなくてタブレット端末として2010年にリリースされました。発売当初こそそれほどの勢いはありませんでしたが、iPhoneでリリースされていた数々のアプリのおかげでタブレットが多くの人にも受け入れられることになってPCの出荷台数を脅かす存在へと変わっていきます。

これは、ちょっとしたメールや文章作成、ウェブサイトの閲覧ならばiPadで十分事が足りるという点と、軽量コンパクトでバッテリーの持続時間も従来のノートパソコンに比べると格段にいい。これらの理由からタブレットというものが認識されるようになっていきました。まだ、ライバルであるAndroidは完成されたとは言いづらいバージョンであった事や、後追いで出来たAndroid3.0はタブレット専用としたことで逆に混乱を招き、巨人Microsoftはこれらに対抗するすべをまだ持っていなかった。

そして、様々な機能を搭載しつつ2015年にはついに11インチを超える大きなモデルが登場してくる事になりました。このサイズはMacBook Airとほぼ変わらない大きさであり、キーボードなどを取り付ければノートパソコンの代わりとして十分使えるレベルにまでなってきました。これは、前述のiOS9の機能であるマルチタスクや簡単な編集であれば可能となったMicrosoftのOfficeスイート達のおかげもあります。

しかし、ここまでノートパソコンのように利用できるとしているが、その反面今までの機動力を損なう事にもなり、実際にはノートパソコンへと回帰しているだけになっていませんでしょうか。おそらくここには、ここ1年近くで大きく販売台数を伸ばしている、とある存在が見え隠れしています。

タブレットだけでは物足りない、だけどノートパソコンでは重くて…という層に対して、ノートではなくてタブレットの形状をしていますよ。でも中身はフルスペックのWindowsなのでOfficeも使えるし今までのアプリケーションも利用出来ますよ。というWindowsタブレットが多く出ています。

さらにブラッシュアップされた物がMicrosoft直々にSurface Proとしてリリースされました。個人で所有している人はまだ少ないかもしれませんが、個人向けであればもっと安いタブレットがたくさんあります。それでは補えないビジネス向けという分野をSurfaceがフォローしています。

このSurface Proに対して、フルスペックというわけではないiPadを対抗させるためにiOS9で更にPC寄りの設計となりました。しかし、Surface Proはあくまでも「タブレットの皮を被ったノートPC」であり、その対抗に「タブレットとして完成していた物をなんちゃってノートPCにした物」ではそもそもの方向性が異なっているように感じられてなりません。

私はタブレットとしてのiPadは評価しますが、ノートPCの代わりになるかと言われると、IMEがアレだったり、意外と使い勝手が悪いアプリが多かったり、そもそも画面分割程度でマルチタスクでやれまっせ。なんてのは違うと思っています。

少なくとも、あのクソIMEをどうにかしないとどうにも使いづらくて仕方が無いと思いますけどね。こんな意見は私だけでしょうけど。

 

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