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カテゴリー: Foods

  • ビールと発泡酒、第3のビール

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    今の日本、ビールの売り上げよりも第3のビールの方が売り上げが高い。
    個人消費もさることながら、居酒屋の飲み放題などでは、ビールと偽って第3のビールが出てくることも珍しくない。
    ちょっと前までは、その役目は発泡酒だったのだが、第3のビールの方が安いのでその役目は変わっている。
    ただ、どう考えてもビールと発泡酒、第3のビールは味が違う。酔えれば良いというのであればかまわないが、そうでないならば考えるべきだろうと思っている。
    そこには、国税省との熾烈な争いがあってのことでもある。

    元々ビールは、麦芽とホップ、水によって作られるものだ。
    ビール自身、ワインの次に歴史が長い酒で、メソポタミア文明の時代から飲まれているアルコール飲料である。
    もちろん、製法は今と昔では大きく異なっているが、大本となっている「麦芽」と「水」を使うところは変わっていない。
    ホップは苦みと香りをつけるために後から使われ出したもので、それ以前は様々な香草を用いたビールが造られていた。
    そんな長い歴史を持つビールだが、日本では売り上げが右肩下がりとなっている。その原因の一つが発泡酒と第3のビールという存在だ。
    そもそも発泡酒が生まれたのは、日本のあまりにも高いビールへの酒税を逃れるためであり、そうすることで単価が下がり売り上げも上がるだろうというところから始まった。
    ビールの酒税は1キロリットルあたり22万2千円なので、1リットルに換算すると222円。
    市販されている500ミリリットル缶が260円~高いもので330円程度なので、約三分の一~半分が税金となっている。
    ちなみに、清酒(日本酒)は1キロリットルあたり12万円、焼酎は25度で1キロリットルあたり25万円。
    アルコール度数を考えると、ビールは明らかに高く設定されているのがわかる。

    ビールと呼べるのは原材料の麦芽が66.7%以上使われている必要がある。
    もちろん麦芽100%でも80%でもビールと呼べるのだ。
    多くのビールは原価を下げるためにこの下限ぎりぎりの範囲で麦芽を利用していたが、酒税を避けるためにビールと呼べなくても似た味にできるものを作ろうと発泡酒を生み出した。
    私が最初に飲んだ発泡酒はHopsという製品名で、そんなにビールと代わりがなかったように記憶している。
    今になって調べてみると、このHopsは麦芽使用量65%とビールより少し低い程度であった。その分味は軽くなるが、このわずか1.7%で酒税が大きく変わっていた。
    そして、発泡酒に相当する製品が数多く発売され、ビールの売り上げを落としていった。
    ビールの売り上げが落ちたといっても、メーカーにしてみれば酒税でもって行かれるところが変わるわけで、利益は売れる分だけ上がっていく。
    メーカーも消費者もお得な製品だったわけだ。味もそんなに変わらないし、ビールよりも安いし。
    売り上げが上がるとすぐに動くのは国、ほかのところは動きが遅いのになぜか税金だけは動きが速い。
    酒税をさっくりと変更してしまった。
    ビールに近い味だった発泡酒は税金をビールと同じ金額にされてしまう。
    麦芽を50%未満にしなければならなくなった、それでも酒税が今までより高く付いてしまう。
    25%未満とする事で今までと同じ酒税となる。もちろん、酔いたいだけならば良いが、さすがにこれでは大きく味が落ちる。
    売り上げにも影響が出てくるわけだ。
    発泡酒はこの平成18年の酒税法改正によって、死に追いやられたと言っても過言では無いだろう。
    それでも安いからという理由で売り上げは上がっていくが、消費者は味が劣るならばさらに安いものをと求めていく。
    そして、第3のビールが誕生する。当初は麦芽すら使わない。エンドウたんぱくを原材料にしたものなどがあり、すでに「ビール」とは呼べない代物になっている。
    また、発泡酒を原材料にしてさらにアルコールを添加したものもある。
    これらは「ビール風味飲料」と言ったところだろう。
    すべては税金対策であり、ほかの酒に比べて遙かに高い酒税を課せられているビールの苦肉の策なのだろう。
    安いだけを求める消費者もどうかと思うが、税金のために今までよりも味を落とし高くされるのは誰もが納得いかないだろう。
    メーカーの利益のためにされるのであれば、そのメーカーを買わなくすればいいのだが、税金だとそうはいかない。

    現在では、ビールと第3のビールが売れ筋の主流であり、発泡酒は新製品も作られなくなった。
    また、ビールは安くできないので逆に付加価値をつけて麦芽100%、ホップをどこどこ産、水はどこどこの水、などと品質を変えることで価格ではなくて高くても飲んでみたい、という方向性へ変わってきている。
    国は財源を得るために、今度は第3のビールを増税のターゲットにしようとしている。
    しかし、酒離れも多く酒税は右肩下がりとなっている。
    平成10年から平成20年までの10年間で4100億円もの税収減となっている。
    もっとも、この税収減は日本酒もウィスキーも酒全体の売り上げが落ちている事に起因があり、ビールだけの問題ではない。
    たばこ税にもいえることではあるが、税金を高くしたとしても税収が増えるとは限らない。
    実際に増税が行われているたばこ税も緩やかに税収減となっている。
    ここで発泡酒の悪夢が再度行われたとして、それならばもっと安い焼酎を飲めばいいとか、ビール1杯最初だけでいいとか、そもそも酒税関係ないホッピーでいいとか。
    結果としていろいろな方向性へ行ってしまうのではないだろうか。
    もちろん、酒をやめてしまうという人だっているだろう。
    税金と酒との戦い、昔から行われていることではあるがこれからも変わらないのだろうか。
    うまいビールが安く飲める。そんな日は永遠にこないのかもしれない。

  • チロルチョコは結構すごい

    チロル、10円の菓子チロルチョコのメーカーである。
    現在では、10円だけではなく20円や30円のチョコレートも販売している。
    しかし、今だに10円チロルチョコは健在で、子供から大人まで親しまれている。

     

    チロルチョコは定番の菓子

    チロルチョコは1979年に生まれた。フレーバーはコーヒーヌガーで、甘みの強いチョコレートと、内側に入っている少し苦いコーヒー味のヌガーの取合せは絶品であった。
    その後、内側のヌガーをワイン風にしたWineや、アーモンド等々さまざまなフレーバーを出している。
    特にここ数年は毎年いくつかの種類のフレーバーを出している。
    期間限定やタイアップ物もあるが、その時代ごとに特徴のある物を出すのは容易な事ではない。
    特に2009年は、パッケージ変更を含めると、実に69種ものフレーバーが出ている。
    驚異的ヒットをとばした【きなこもち】をリリースした2003年は、7種類の新作だった事を考えると、2009年のリリースが異常とも言えるのが分かるだろう。
    しかし、こういった開発努力は、単価の安い商品ながら並々ならぬ物を感じる。

    チロルチョコはおいしい♪~

    チロルの定番フレーバーは、【チョコレート】だ。
    あたり前に聞こえるだろうが、実は重要なことなのだ。
    日本の公正取引法では、チョコレート以外に準チョコレートというものがある。
    同じチョコレートを名乗っていても、中身が大きく違う事があったため、規準を設けた。
    その中で、チョコレートに分類されるのは、カカオ分35%以上・ココアバター18%以上で、水分3%以下であること。
    ただし、カカオ分21%以上・ココアバター18%以上、かつ、乳固形分とカカオ分の合計が35%以上・乳脂肪分3%以上、水分3%以下で、カカオ分の代わりに乳固形分を使用することが可能。(Wikipediaより引用)
    何やら分かりにくいが、早い話カ力オが、多いって事だ。
    これに対して、準チョコレートはカカオ分15%以上・ココアバター3%以上。
    脂肪分18%以上で、水分3%以下であること。
    100円ショップ等で売られているチョコレートは、準チョコレートが多くどことなく味が素っ気ない。
    力力オが20%以上近く違うのだから、当然と言えば当然だろう。
    さまざまなフレーバーを使うため、近年のチ口ルは準チョコレートも多いが定番となっている【コーヒーヌガー】や【アーモンド】、【BIS】はチョコレートだ。
    カカオが準チョコレートより多いため、味も濃い。これがチロルのおいしい理由の一つだろう。
    分類がチョコレートではないフレーバーがまずいと言っている訳ではない。
    ただ、メインとなるフレーバーは、やはりチョコレートであってほしいと感じる。

    ライバル出現

    ここ数年、チロルに大きなライバルが現れた。
    チロルほど、知名度は高くなかった有楽製菓が1994年に発売したブラックサンダーがそれである。
    大学生協や一部コンビニで売られていたブラックサンダーは、体操選手がTVの前で好物だと言った事から、一気に知名度があがりメジャー化した。
    ココアクッキークランチの軽い食感と、ミルクチョコレートの組み合わせは相性が良く、人気の商品だ。
    若年層をメインターゲットにしているだけに、コラボしているものもどことなくオシャレなものが多い。
    ちなみに、駄菓子屋では鳴かず飛ばずだったんだそうだ。確かにあの味付けは子供よりも10代後半から20代に受ける味なのかもしれない。

    このブラックサンダーは、準チョコレート菓子である。
    これは、準チョコレートを60%以下の使用量で作られる時に付けられる種別だ。
    売り値30円という限られた価格で販売するため、仕方ない事だろうし、チョコレートを軽い味にすることで重たく感じさせない様にする事もできる。
    だが、やはりチョコレート菓子なので、チョコレートには気を使ってほしい。
    もちろん準チョコレート菓子だから悪いと言っている訳ではない。
    相性や、価格との兼ね合いもある。
    ただ、どうしても準チョコレートは安物のイメージがあるのは私だけだろうか。

    方向性の少し異なる戦略

    現在では、このブラックサンダーとチロルチョコは、安いチョコレート菓子では、強力なシェア争いをしている。
    コラボ商品は数多くあるが、本体は一つのフレーバーを続けるブラックサンダー、コラボもあるが、本体で様々なフレーバーをリリースするチロル。
    チロルチョコの本業を重視する戦略と、ブラックサンダーの商品はそのままで、他業種へのコラボを強加する有楽製菓。
    どちらが勝つという訳では無いだろうが、これからも注目していきたい。
    なお、チロルチョコのサイトへ行くと、歴代のチロルチョコのパッケージが見られる
    ここ数年の急激な数の多さは明らかに2008年の北京オリンピック以降に延びているブラックサンダーを意識しているように思える。
    懐かしい物もあるため、一度見てみるのも良いだろう。