結局Cloudサービスはどれが良い その1

無料で使えるストレージサービスやオンラインノートなど、多くのCloudサービスが出てきた昨今、結局どのサービスを使うのが一番いいのでしょうか。
もちろん1つに絞る必要はありませんが、様々なファイルをあちこちのCloudへ置いておく、それじゃあまり意味がありません。
ここでは、基本無料で使えるストレージサービスをメインにご紹介します。
今回は最も基本となるEvernoteとDropboxについてお話しします。

Evernote

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ノートアプリとして、ウェブクリップとして、何でも使えるものとして機能の充実したソフトウェアです。
個人的にはオンラインで保存できるという点と様々なファイル形式に対応しているという点で、ヘタなワープロなどよりよっぽど役に立つサービスだと思っています。
メモ帳としてはローカルで利用できるものとして、MicrosoftのOnenoteやジャストシステムのネタの種(こちらは販売終了しています)などがあり、単にウェブクリップすると言うだけの観点から言うとEvernoteが最初というわけではありません。
使えそうなものはとりあえずとっておき、後で精査すればいい。
もしかしたら、そのデータが何かの役に立つかもしれない。そういう観点で使うサービスでしょう。

有料アカウントとの違い

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アップグレードすると、PDFファイルのOCR機能(PDFファイル内の文字列の検索)も可能になる。

無料で利用できるのは月間60MBのアップロード、ページ数は最大で10万ページ(有料ユーザーも同じ)で、有料アカウントにすることで月間アップロード1GBまでに拡張される。
同期されるファイルも有料アカウントであればすべて、無料では一部制限が掛かるようになる。
1つのファイルの大きさも無料アカウントでは25MB、有料アカウントでは50MBと倍の大きさになります。
と は言ったものの、ライトユーザーとして利用するのであれば、無料アカウントでも十分なスペックを持っており、資料を見ながら文章をまとめる。という使い方 やちょっとしたブログ記事を書くのに複数のパソコンで編集が行いたい。などという用途では十分なものを持ち合わせているので、とりあえず使ってみたいとい う人にとっては無料アカウントでも十分ではないでしょうか。
毎月450円と缶ビール500ml2本分よりも安い金額なので、日々の晩酌からちょっとビールを減らすだけで有料アカウントにできます。ビール2本の価値があるかどうかは使う人次第ではありますが。

対応するクライアントOSは

Windows、 Macintoshのみならず、BlackBerryやiPhone(iOS)もちろんAndroid、WindowsMobileや WindowsPhone7.5。さらにはPalmや今後ガラケーにも対応という話もあるくらいで、現在ネットワークに繋がっている一般向け端末はほぼ網羅されていると言ってもいいでしょう。
実際に利用する上で、対応していないから諦めるということが一番少ないのがEvernoteの魅力の一つでもあるでしょう。
[単にファイルを保存しておくオンラインストレージ]を期待している方には残念ですがおすすめできません。
感覚的には図書館で勉強をしていたあの頃を思い出すサービスですね。

Evernoteは100年続く会社を目指す

シリコンバレーの企業としては珍しく100年続く企業を目指していると言います。
いわゆる「老舗企業」になるのを目標としているとのこと。京都の老舗などと同じように堅実で信頼のあるサービスを長く続けて行きたいということです。
人様の情報を預かるということはとても重要で信頼が必要という考え方、一時的に儲けて後はうっぱらって金を得るという山師のような考えが少ないのは好感が持てますね。
Evernote社が、米 Inc 誌の「Company of the Year」受賞 « Evernote日本語版ブログにも100年企業を目指すと書かれています。)

Dropbox

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オンラインストレージの草分け的存在なのがDropboxです。
それまでもオンラインストレージが無かったわけではありませんが、FTPを起動してファイルを送るという作業が必要だったり、ブラウザ上から転送すると言った煩わしさがありました。
それだけに初心者にはやや敷居が高いところもあり、オンラインストレージ自体が一部のヘビーユーザーだけのものでした。
しかし、このDropboxは端末側にフォルダを作成しそこにファイルを入れておくことでオンラインストレージと自動的に同期し、ユーザーが意識しなくてもデータのやりとりをする 事ができます。
この手法は、ユーザーがサービスを使っていると意識せずとも利用でき、オンラインストレージサービスの裾  野を広げる事にもなり、爆発的に普及しました。(普及した理由は別にもありますが後述)
また、たとえネットに繋がっていなくてもオフラインでローカルフォルダにファイルがあるため編集や閲覧が可能で、何が何でもネットに繋がっていなければイケないというサービスでは無いところもちょっとした魅力です。

有料アカウントとの違い

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1TBのTeamsは5ユーザー利用でき、年間795ドルから

Dropboxは有料アカウントにする事でストレージの容量を増す事ができる。
無料アカウントでは初期2GB、その後チュートリアルなどをこなすことで1.25GB増加させることが可能です。

他に容量を増やすために友達紹介システムを採用しています。つまり、自分が紹介したユーザーがDropboxのクライアントをインストールして利用し出すと紹介者と新規利用者(紹介された側)の両者に250MBの追加容量をプレゼントするというサービスです。(現在は一人紹介するごとに500MB追加容量が増える)
そうして増やしていくことで、最大8GBまでの両々を無料で利用できた。現在では最大で18GB(+初期値2GB+追加容量16GB)までが無料で提供されている。

有料アカウントでは、月額9.99ドル(現在のレートでは約800円程度)か、年間99.9ドル(同じく8000円程度)で50GBの追加が可能。
月額19.9ドルもしくは年間199.9ドル支払えば100GBまでの追加が可能となる。
どこまで利用するかによるが、ちょっとしたファイルを共有したい、友人同士でファイル置き場にしておきたいなどという場合には無料アカウントでも十分でしょう。
ちなみに私はあまり友人紹介をしていないので、8.8GBという中途半端な容量が利用できるようになっている。
画像ファイルをすべて置いておくには小さすぎるので、ちょっとした共有したいツールや動画などを置いておくのに利用している。

対応するクライアント

Dropboxも様々なプラットホームで利用することが出来る。
WindowsMobileやWindowsPhone7.5にはクライアントが無いため利用できない。
また、Android版のクライアントは設定をすることで撮った画像を自動的にアップロードする機能がついた。
Google+のインスタントアップロードと同じ機能ですが、Dropboxにおいておけばクライアントを入れているパソコンすべてで同期が可能なので、スマホでとった画像をいちいち転送すると言ったことが不要になります。
こんな使い方をしていたらあっという間に容量が埋まっていくような気もしますが…。

おもしろい使い方としては

ファイル共有が容易に出来るため、フォルダやファイルを共有にして公開アドレスを渡すことで、簡易的なウェブサイトを構築する事も可能です。
もちろん、大がかりなものは構築出来ませんがちょっとしたお遊びには利用可能です。
また、ファイル共有をさせることで同じファイルを大人数で編集する事ができるようになるため、文章の添削やスプレッドシート(表計算)の更新などが行えます。
たとえば、こんなものを作ったよフォルダを作っておき、そこを仲間内で共有しておく。
それを他のメンバーが覗いて修正したり、だめ出ししたりする事で、それまで行われていたCDなどの媒体による受け渡しやメール添付で送るといった事が不要になります。

ただ共有している人誰でも編集が可能なため、誰かが悪意を持って改ざんすることや不用意なファイル削除などが行われることもあります。また、更新されていても確認しなければわからない事が多いため添削依頼をしても気がつかないという事も発生する危険性もあります。
ユーザーが意識せずに利用できると言うことは、大切なことは自分で意識しなければいけないという事にも繋がってしまうわけです。

2~3GBといえばSDカード1枚分、それほど大きい容量ではありません。
しかし、友達紹介システムやイベントなどを使い容量を増やすことでDVD1枚~4枚分までは増やす事が出来ることを考えると、自分だけが使うストレージとしてだけでは無く複数の人で共有して使う事で今まで以上に簡単なデータ共有を行うことが可能となります。
Dropboxは敷居を低くしただけでは無くクラウドとは何なのかというお手本を見せたようなサービスだと思っています。
アカウントは持っておいて損はありません。
といっても、ただ単に登録するだけではつまらないので、もしもまだ登録していない人がいたら・・・。
http://db.tt/M5T6d4O
ここから登録してもらうと500MBお得ですよ(私が(笑))

紹介者がどうしても増えない、手間を掛けても増やしたい人は…

紹介者がどうしても増えないという人、それでも容量はほしいという人もいらっしゃると思います。
本来はこういった使い方はほめられるようなものではありませんが、簡単ではない、めんどくさい増やし方を紹介します。
用意するものはフリーメールと仮想OS環境。
あ、これでわかりました?早い話、フリーメールを仮想OSで受け取ってクライアントをインストール。これで1人紹介。仮想環境はざっくり消して何度も繰り返せば容量は最大まで増やせます。
が、恐ろしく手間が掛かるのでそこまでして増やしたい人だけに推奨します。
私は面倒で止めましたが(笑)

今回は2つのサービスをご紹介しました。
この2つは同じクラウドサービスでも毛色が違うため単純な比較は出来ません。
オンラインで情報をクリップして自分の辞書を作り上げるEvernote、自分のデータファイルをバンバンぶち込んで保存しておけるDropbox。
併用して使うのはありですし、この二つのどちらかを選ぶというのはちょっと無理かもしれません。
次回はYahoo!boxとSkyDriveについて書いてみたいと思います。

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