ちょうど一年ほど前、docomoはXi用の通話プランを発表しLTEへの移行を促す本格的な営業を始めた。
データ通信をメインに据えていたイーモバイルは2012年3月にサービスを開始。
au、SoftBankもiPhone5の発売と同時にサービスを開始。これで各社がLTEそろい踏みとなった。
そこで今回は各社の料金プランやオプションサービス、そして何より帯域制限などのデメリットを見比べてみたいと思う。
サービスが始まったばかりなので、期間限定の無料サービスやお得なプランもあるが、あえてそれらを無視して比較してみたい。
LTEは、Long Term Revolutionという技術を利用した通信方式のことで、よく言う3Gとか、WiMAX、CDMAなどと同じような意味合いだと思えばいいでしょう。
今まで使っていた、FOMAなどの技術を拡張して、より早くより遅延を減らし電波の有効活用を行おうとするのがLTEというものです。
これを利用することで、ユーザーにとっては通信速度の向上によってWEBサービスの体感速度の向上、利便性の向上につながります。
テクノストレスと言われる、待ち時間に対するいらいらが軽減されることや肥大化するスマートフォン用アプリのダウンロードに関しても使い勝手の向上につながっていくことでしょう。
今現在最大と言われている速度75Mbpsに関しても、今後はさらに速度が向上していく事になり、docomoでは2012年度までに一部地域では115Mbpsまで対応すると発表しています。
115Mbpsとなると、VDSL方式の固定回線を凌駕する速度となるため、固定回線が不要となる事が出てくると期待されています。
さらにその先には4Gと言われる新しい移動体通信技術が使われる予定になっています。
しかし、まだそちらは試行錯誤しており、すぐに出てくるというわけではありません。
キャリアは現在の設備を置き換えることでサービスの提供が可能なため、新たにアンテナ用地を取得する必要などが無く、比較的安価な設備投資となる。
そのことは、ユーザーへの提供価格の低下へもつながると言うことです。
2012年10月現在でイーモバイルは音声通話を行うプランを持っていない。
つまり、データ通信だけのプランと言うことになる。
ほかの3社は音声通話とデータ通信のプランを組み合わせて利用させるという今までと同じ手法でサービスの提供を行っている。
ここで一つだけ注意しなければいけないのは、通話に関してはLTEであっても3G回線を利用するというところだ。
そのため、auで利用している3G通信の規格は通信と通話が両立できない。通信中に電話がかかってくると通信をいったん切断して通話に切り替える。という事を行う。これはLTEでも同じだ。そのうちにすべての基地局がLTE対応に切り替わり、LTE-Advanceと言われる通話もLTE回線を使う仕組みに切り替われはこの現象は収まるだろう。
ただ、それはいつの話かはわからない。
ではまずは通話のプランを比較してみよう。ここでは参考までに3G、つまりFOMAやら何やらのLTE以外のプランも乗せてみたいと思う。
また、持ち込みや端末費用のほぼ全額負担になる高いプランに関しては今回は比較対象外とする。
そういう特殊なプラン使う人は自分で考えているでしょうから。
docomoの通話プラン
通話に関して言うと、自社同士のサービスに重点を置いたXiとデータ通信メイン以前からの流れを持ったFOMAと感じられる。
通話料も無料をつけることを辞めることで収入源として考えているのか、そもそもSkypeを含めたIPサービスを使うことをメインとして考えているのかはわからない。
どちらにしろ、通話メインの企業の場合にはXiは不利といえるだろう。
社内利用で携帯電話同士ならば逆にXiにしてしまうことで夜中2時~21時までの間docomo同士ならば定額となるためランニングコストを抑えることは可能だが、フィーチャーフォンを含めた一般的な電話機端末を用意していないことが難点かもしれない。
3Gのプランに関してはdocomoとほぼ同じだが、オプションとして3番号だけ通話定額とするオプションがある。
また、LTEプランもdocomoと同じく無料通話料の無いプランのみ。ただし、au電話同士の24時間通話が無料になるオプションはdocomoより200円安い。また、ソフトバンクのWホワイトのように他社電話を含めて割引になるサービスも用意された。
現時点ではLTEはiPhone5しか利用できないので、iPhone5専用プランとなってしまっている。
通話が半額になるオプションがあるとはいえ、やはり通話に関してはLTEは案配が悪い。
端末もまだこれから発売されるであろう事からiPhone5をどうしても欲しい人以外は時期尚早かもしれない。
プランLTEはdocomoと同じように夜中2時~21時までの間au同士無料通話が可能となっている。
それを24時間に拡張するオプションがあると言うことだ。
1つ注意が必要なのは、プランLTEには留守番電話サービスがついていません。
CDMA WINでは無料でついてきたので、ここも地味に値上げしている。月額315円の値上げとなる。
ソフトバンクの通話プラン
ソフトバンクはdocomo、auと同じ料金体系のプランを持っている。
そのため、料金プランとしてはあまりにも多い。
そのため、ここではソフトバンク独自のプランだけを紹介しようと思う。つまり、ブループラン、オレンジプランに関してはシカトすると言うことだ。
ホワイトプラン 980円
オプション
Wホワイト 他社携帯を含め通話料が半額となる 980円
24時間通話定額 自社携帯電話の通話料が24時間定額になる 500円
無料通話料などがあるプランに関してはブループラン、オレンジプランに限っており、ソフトバンク独自プランとしては持っていない。
実際にはこのプラン一択の状態なので、表にするまでも無いことから直接書いてしまった。
シンプルではあるが、無料オプションでこれだけついていますと公式サイトに色々書いてあるが、実は同じ事がauでも出来ていると言ったところやWホワイトのほかに自社同士24時間定額となるオプションが期間限定申込(おそらく延長されるだろうが)となっていたり、提供開始が1月15日からとなっている。
docomoが最初にLTE向けのプランを出したが、それ以前から他社では3Gで980円のプランは出ていた。
docomoは高い料金体系をとっていたというのも過去の話で、今ではシェアが徐々に下がっていることから、各社ともほぼ横並びの価格体系となっている。
それにしても、LTEは今まであった無料通話料を削る代わりに自社同士のサービス強化が著しい。
これは各社が囲い込みを行いたいがためだろうが、今ではIP電話サービスがあるため、パケット定額をつけていれば通話料を気にする必要が無いと考えているのか、単にARPU(Average Revenue Per User:簡単に言えば1契約に対する客単価)を通話料でも稼ごうとしているのかは不明だ。
また、auに関して言えば、LTEで留守番電話を外したのは実質値上げとなる。
もちろん、docomoも留守番電話を利用しようとするならば有料サービスとなるため、3Gの頃からの流れでLTEを利用しようとするならば、ソフトバンクが一番安いと言うことになるようだ。
ここでいくつかのケースで料金がいくらになるのかを考えてみよう。
端末料金やサンクスキャンペーン、スマートバリューなどは除いて考えてみる。
1.自社同士24時間通話をしたい
docomo 基本料金780円+Xiカケ・ホーダイ700円=1480円
au 基本料金980円+au通話定額24 500円=1480円
SoftBank 基本料金980円+24時間通話定額500円=1480円
2.留守番電話をつけたい
docomo 基本料金780円+315円 =1095円
au 基本料金980円+315円 =1295円
SoftBank 基本料金980円+無料 = 980円
3.他社携帯への通話料を下げたい
docomo プランなし
au 基本料金980円+980円 =1960円
SoftBank 基本料金980円+980円 =1960円
4.1と2を組み合わせたい
docomo 1480円+315円=1795円
au 1480円+315円=1795円
SoftBank1480円+無料 =1480円
5.1と2と3つを組み合わせたい
docomo 基本料金780円+700円+315円=1795円(ただし他社携帯への通話料は30秒/21円のまま)
au 基本料金980円+500円+315円+980円=2775円(他社への通話料は30秒/10.5円)
SoftBank 基本料金980円+500円+980円 =2460円 (同上)
代表的なプランを考えると、すべてのオプションを利用する上ではSoftBankが一番安い。
といっても、これは留守番電話が絡んでいる関係なので、留守番電話が不要であればauとSoftBankは横並びとなる。
また、何もオプションもつけない場合には780円のdocomoが最安値となるが、SoftBankもブループランとして同じプランを持っている。
ただし、SoftBankのブループランは自社同士夜中2時~21時までの無料通話がつかない。
少し長くなってしまったので、パケットに関しては次回とします。