前回に引き続きNote Anytimeで利用できるツール、テキストと消しゴムの二つの基本動作について説明します。
この記事を書くにあたって色々といじってみたんですが、いじればいじるほどおもしろい。
新しいお絵かき帳を買ってもらった子供用な心境なのかもしれない。
テキスト入力。文字入力はデバイスによってやや異なってきます。
大きく分ければ2つあります。
キーボード入力
手書き入力
手書き入力にはそのままの文字で表示されるものと清書されるmazec入力の2つに分かれます。
無料版で利用できるのはキーボード入力と【清書されない】文字入力だけです。
ただし、これもタッチパネルがついていないパソコン、つまり従来型のパソコンの場合には少し異なっており、手書き入力全般が行えません。
アドオンを買えばできますが、現実的では無いかもしれません。
アドオンはいくつかあり、言語ごとに600円がかかりますが、Windows8版では1980円で購入できる有料アプリがあり、これら言語ごとのアドオンがすべて含まれています。
とはいえ、通常のアルファベットを認識させるというところだけであれば多言語は必要ありません。
アルファベットを手書き認識させて、英単語辞書も利用したい。という場合にアドオンが必要となります。
画像配置部加工してあります(横長すぎるので縮めてあります)
全部で12カ国語、すべて買ったら7200円にもなります。
Note Anytime プレミアム版ならば1980円で済みます。
すべてのアドオンはお試し版があるので、今回日本語と英語をお試しで入れてみました。
お試し版が入っていると編集した内容が保存できないという制限が発生するので注意しましょう。
eneと打ったときに、英語アドオンモード(中央にあるen-USが英語モードであることを示しています。)で手書き入力すると、スペルに応じて単語が候補として出てきます。
ここでは、energyと入れて見ようかなと思っていたので、4つめに候補が出ているのがわかります。
このモードでは、英語だけが変換されるので、「あ」などと書いてもmになったりtになったりします。すべてアルファベットを書いていると認識される訳です。
日本語アドオンだけだとどのようになるのかも試してみましょう。
画面はWindows8版のNote Anytimeです。
誤認識して、めためしになってます。
こんな感じで書いた文字をそのまま認識してくれるのがmazecです。
感じとひらがなが混ざっていてもうまいこと処理してくれるのも売りの一つです。
このように【改行】と変換したいときに、一部の漢字をど忘れしてしまっても変換してくれます。
このmazecも欠点があって、それはひらがなと漢字のかき混ぜは行けますが、カタカナが混じるととたんにイケてない状態になります。
ま、こんな書き方をする人はまずいません。偏屈な人か、挙動の確認でも無ければ…。
【けしごむ】の【ご】だけをカタカナにして入れて見ましたが、「消しゴム」という変換は出てきませんでした。
この入力方法だと、難しくて普段書けない漢字があっても十分対応できます。
こういうのがいい例ですね。
普段醤油なんて書けませんし(笑)
一般生活で文章を作っていて醤油と書くことがどれくらいあるか、料理のレシピでもつける時でしょうか。
フリック入力などにどうしてもなれない、字を書くという行為に意義があると感じる人には打ってつけです。
Windows8版はこういう感じですが、iOS版はまた少し話が違ってきます。
iOS版ではそもそも多言語アドオンが存在せず、mazecを利用するためのアドオンのみがリリースされています。
また、タッチパネルが標準で使えるため、アドオンを購入しなくても手書き入力は可能です。
ただし、清書はされません。
iOS版のアドオンはWindows8版と同じく600円。
OS版にある清書をしない入力とmazecを利用した聖書の文字ではどれくらい違うのか、比べてみました。
青いバーの右側が清書されたもの、左側が手書きのままのもの。
一目瞭然ですね。
【め】だけが少し位置がずれていますがこれにも理由があります。
上に戻っていただくと【めためし】と誤認識している画像がありますが、その【め】を見てみると、細い罫線の下まではみ出して入力されています。
実はこれが一つの目安となっており、線をはみ出しても入力されますが、位置が少しずれます。
アルファベットを最初に習うときに5本線か4本線のノートで学習をしたことがある人もいると思います。
私もうろ覚えですが、そう言うので書いた記憶があります。それと同じように、線をわざとはみ出す文字を書く際の目安になっています。
たとえば「j」なんかはいい例でしょう。
とはいえ前回お話ししましたが、実はこのテキストツールはあまり多用しないかもしれません。
自由なお絵かき帳であるNote Anytimeはその用途も紙の代わり、そして入力や削除も紙の代わりで紙と同じように扱うことが多くなるかもしれません。
もちろん、使っていく上ではテキストツールを利用しなければいけないこともありますしテキストツールを利用した方が利便性が高いこともあります。
しかし、自由に字を書く、絵を描くという事を考えるとペンツールで字を書いた方がいいことも多いような気がします。
清書されたしっかりしたものを作成するのはいいことですが、Note Anytimeはどちらかというとそうでは無くて手作りの優しさというんでしょうか、フリーハンドだからこその暖かみのあるものをデジタルで作成する。というコンセプトが根本にあるように思えています。
だから、テキストツールももちろん使えるが、使わなくても別に困らないよ?というところでいいと思います。
ただ、ペンツールで字を書くときに字が汚い、記憶違いの漢字が多くて恥ずかしい、といった理由でテキストツールとmazecを利用するのもありだと思っています。
そして、テキストツールで字を書く場合とペンツールで字を書く場合の違いはここで述べた単に清書と手書きというところだけでは無く、次に挙げる消しゴムツールを利用する上でも大きく変わってきます。
というわけで、消しゴムツールの紹介です(きれいにつながったかな?)
消しゴムツール。
ペンツールで書いた線を消すのが消しゴムツールです。
消しゴムツールはペン先と同じように太さが3段階とページ全体を消すものがあるので合計で4種類あります。
一ページをすべて消す場合には必ず確認メッセージが出るので、誤って消すことは無いと思います。
また、この消しゴムツールのおもしろいところは、太さは選べますが、その太さというのがどの倍率であっても変わらないという点です。
比較対象に向かって右側に前回使った画像の切れ端がおいてあります。
薄い灰色の線が消しゴムツール、一番太いやつでなぞったところです。
画面を拡大して画像の切れ端も大きくなっています。
しかし、消しゴムの線の太さはどうでしょうか、変化がありません。
つまり、画面をどれだけ拡大縮小しようとも消しゴムの太さは変わりません。
細かく消したいときには、画面を拡大して細い消しゴムを使い、全体を大きく消したいときには画面を縮小して太い消しゴムを使う事で簡単に削除を行うことができます。
これ、最初気がつかなかったんですが、ものすごく便利です。
もう一つの特徴として、あくまでも消すことができるのは【ペンツール】で描いたものだけという点があります。
前述のテキストツールで書いた文字は、テキストボックスに守られているので消しゴムツールでは消すことができません
消しゴムの線を見ていただくと、1行目「テキストボックスで入力した~」と書かれているところはテキストツールで書いています。
2行目と3行目の「文字は」までがペンツール、その後またテキストボックスです。
これで消しゴムを利用するとどうなるかというと。
編集がちょっとへたくそなんですが、1行目はどこも消えていません。「消」の文字も消えていません。
しかし、2行目と3行目の前半はあちこち消えています。
わかりやすいのは「テキストボックス」が「キストボックス」になっている部分でしょうか。
このように、ただ入力した文字もペンツールはあくまでただの線、テキストツールはテキストとして扱われます。
テキストツールはデジタルデータとして扱え、ペンツールは単に線なので、消しゴムで消す。
これってノートに文字を書いて、誤字脱字は消しゴムで消す、書き直す事と同じ感覚では無いでしょうか。
これがNote Anytimeの大本にある使い方のような気がします。
MetaMojiが配布しているサンプルもほとんどテキストツールは使っていません。
書いてある文字はペンツールで書かれたものばかりと言うことからも、単にデジタル化されてるけど、実は自由帳なんだよ。
そういう方向性を示しているのでは無いかと思います。
次回はその他のツールについて、PDF取り込みを利用した使い方などを紹介します。