Openoffice.orgの行く末

オフィススイートと言うと、windows環境ではマイクロソフトオフィスが大きなシェアを獲得しており他が入る隙も無い状能だ。
高いオフィススイートを買わされている日本の環境。
そんな中、フリーでなおかつマイクロソフトオフィスに似た操作が可能なソフトウェアが有ったら。
互換性もあったら…ランニングコストも下げられるし、幸せになれるんじゃないか。
そんな夢の様な話、実現できる可能性を秘めていたソフトがあった。
OpenOffice.org
日本でも福島県の市町村で採用され、話題にもなった事がある。
しかし、今はこのOpenOfficeは終焉の時が来ている。
今回は無料のオフィススイートOpenOffice.orgについて語ってみたい。

そもそもOpenOffice.orgって?

OpenOffice.orgを語るうえで外せないソフトウェアメーカーが2社ある。
OpenOfficeの元となったStarOffice(アジアではNECが商標を持っているためStarSuiteの名称)を開発したSUN(サン・マイクロシステムズ)とSUNを買収し、今回の事態の引金を作ったオラクルの2社である。
元々、OpenOfficeはSUNが開発を行なっていた、StarOfficeというオフィススイートがベースとなっている。
このSUNのプロジェクトがオープンソースとなり、OpenOfficeになった。
商用ソフトとしてサポートもあるStarOfficeと、フリーでサポートは掲示板等のみであるOpenOfficeの2つのソフトウェアで展開をしていった。
どちらも開発はOpenOfficeのチームが行っているため、中身はほぼ同じだ。
マイクロソフトオフィス2003のファイルをある程度は読み書きが可能であ
る上にフリーで使える。
ワープロソフト「writer」
表計算「calc」
描画 「Draw」
プレゼンテーション 「Impress」
データベース 「Base」
数式エディタ 「Math」
6つのソフトウェアがセットになっている。
オフィススイートとしてよく利用されるのは、ワープロ、表計算、あとはプレゼンテーションだろうか。
データベースがあれば、日常的な業務に事足りる。
家庭ではワープロ、表計算だけでも十分だろう。
それら一般的なアプリケーションを無料で使うことができる。
フリーで使えるオフィススイート、これは画期的なことだった。
特にwindows環境では、注目を浴びることとなっていった。

 

脱マイクロソフトのために

OpenOfficeは、Linuxやwindows等マルチプラットホームで開発されていたため、オープンソースでフリーな環境で、オフィススイートを利用することも可能であった。
そのため、導入のコスト、つまりイニシャルコストを大きく抑える事ができた。
これを売り文句に世界中で脱マイクロソフトの運動も行った。
日本はオフィススイートのほぼ全てと言っても良い位マイクロソフト製品がされている。
そんな中で福島県会津若松市では、2008年よりOpenOfficeを利用し始めた。
日本の市町村では初の試みで、注目が集まった。
最初のうちはランニングコストが掛かり効果はいまいちであった。
職員が慣れていくにつれて、サポートのランニングコストも下がり少なからず効果を見せている。
その後、山形県庁や三島市でも導入を検討するなど一定の評価を得ている。
少なくとも、マイクロソフトオフィスを置き換えるだけの可能性を持ったオフィススイートだ。
OSを含めたライセンス料を抑えることで、会津若松市では3年で1500万円の経費節減につながるという話であった。
実際のところ、そこまで大きくは経費節減にならなかったようだが、少なくとも節減になったそうだ。
この事からマイクロソフトオフィスにこだわらなくてもいいのではないかという風潮が少しずつ出始めている。
また、元々官公庁ではマイクロソフトのWordより一太郎が多く使われていた事などから、本格導入なども検討できる材料はそろっている。
元々、SUNとマイクロソフトは仲がいいわけでもないからオフィスの独占に一石を投じたいという所はあるのだろう。
しかし、そういった流れに変化が起きてしまった。

SUNの終焉と共に…。

2010年、SUNはオラクルに買収された。
それと共にOpenOfficeの立場も変化が見られた。
元々オラクルはオープンソースにあまり積極的ではない。
買収直後から対立があり、OpenOfficeの開発者達はオラクルから逃げ、2010年10月にThe Document Foundation(以下TDF)を起ち上げた。
実質的にOpenOfficeの開発は止まる事となる。
元々、OpenOfficeは、開発者が少なく、オフィススイートの開発スタッフとしては少なすぎると言われる30名程度のチームで開発が行われていた。
TDFを起ち上げた開発者は、次のOpenOffice、Libre Officeを開発した。
と言っても、Libre Officeは、OpenOfficeをフォーク(元のプログラムから派生)したものだ。
使い勝手や見た目が大きく変化したものではない。
Openofficeは開発が止まり、前述の会津若松市では、採用を取りやめてすべてをLibre Officeへと変更する事となった。
こうして、緩やかではあるがOpenOfficeは終焉を迎えようとしている。
大きな変動はもうないだろう。あるとするならば、オラクルがOpenofficeの商標をTDFへ渡すことで、元通りになるということは考えられる。
現時点では、オラクルはその気がないようなので、今後の動きがどうなるのか、気になるところだ。
オラクルは、2011年StarSuiteも販売を終了した事から、OpenOfficeのようなオフィススイートからは撤退するつもりなのだろう。

後に残ったのは

オープンソースは利用する側にとっては、イニシャルコストを押えられるメリットはある。
しかし、今回の様に政治的なトラブルが付きまとうと、せっかく知名度が上がっていても、顧客は導入に二の足を踏む。
今回は結果として名前が変わっただけで開発が続けられることとなったが、いきなり開発が止まることもないといえないのがオープンソースで開発されているソフトウェアだ。
もっといいソースができてしまえば、古いものは淘汰される。
しかし、そこにつかっているユーザーの気持ちやシステムを構築したシステム屋の事などは考えていないのかもしれない。
そういうことを考えると、多少は高くてもライセンス料を払うソフトウェアの方がいいのではないか。そう思わせる遺恨を残してしまうのではないだろうか。
Libre Officeでしがらみを持たずに開発をしていくことができるのだろうか。
そして、同じ過ちを犯すことなく継続して開発ができるのだろうか。
TDFの今後を見守っていきたいと思う。

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