最近ちまたで流行の【ステマ】、その問題点を考える その2

ステルスマーケティングの実例を前回は挙げたが、今回は食べログを含めた書き込み業者が絡む場合の手法を挙げていこう。
そして、本題の問題点に関しても深く掘り下げていこうと思う。

食べログなどの口コミサイトは

口コミサイトは以前からある。
前評判を聞いてみたいという日本人の心配性がこういうサイトを盛り上げていると言える。
それが悪い事ではない、金を払って食事をするのだからハズレではない方が良いのは皆同じだ。
そこに良い評判が書かれていれば人は「これだけ行ったことがある人が言うならば行ってみよう」という気持ちになる。
コレを誘導するための意図的なものがステルスマーケティングだ。
ただし、コレは本当に良い店であればいいが、そうでない場合には書き込みが間違いだった、期待ほどではなかった。
そういった失望へと変わってしまう。結果として、1回行けばそれでいいや。で終わってしまう人が多数出てくる事になる。
その結果を書く人も出てくる訳で、長い目で見た場合に本当に店にとって良いことなのかどうかはわからない。
ただ、こういった書き込みを行なうのが単に自分の店の宣伝活動だけであればまだいい。
口コミサイトは複数の店を評価することができるため、悪評をあえて流す人も出てくる。
そして、ライバル店が意図的に行なうことで【善意あるものの意図しない営業妨害】を演出する事が可能となってしまう。
本当に店を訪れてダメだった、口に合わなかったと書くのはまだわかるが、それが業者によって行なわれるとなるとまた話は変わってくる。

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業者を介した威力業務妨害

書込み業者などを介して他店や他社を貶めることを依頼すれば立派な威力業務妨害となる。
しかし、口コミサイトという性質上、本当にそう思ったユーザーも少なからず居るわけで、正確性が失われる。
そもそも、口コミ自体が正確な情報とは言いかねるが、こういった行為が表に出ることでいくつかの問題が発生する。

  1. 口コミサイトの信頼性の低下
  2. 同業者への不信感の向上
  3. 匿名の投稿自体の喪失

口コミで流行った店は、同じように口コミで衰退することが考えられる。
また、悪評が流されていたと知った場合の近隣の同業者への不信感や競争関係の悪化が発生することもある。
そして、そもそも匿名で投稿できるからいけないのだという風潮から、記名記事を強要する社会の流れが発生するだろう。
現にYahoo!はコメント欄でのIDおよび表示名を今後公開すると発表した。
現在はIDの一部が伏せ字となっているため、同一の投稿者であっても伏せ字のためわかりづらくなっていたが、これからはIDがすべて表示されるため、同じIDから書いた内容については、責任がつきまとうようになる。
私個人としては、これは当たり前のことであり、「文責」はあるものだと考えているので、正しいと思っているが、ちょっとしたことを書いただけでも色々言われる恐れが出るため、簡単な気持ちで書き込みなどを行なう事はできなくなる。
軽い気持ちで無くなるのは良いことなのかもしれないが、反面「文責」の恐怖から何も書かなくなる人が増えるだろう。
つまり、今までよりも口コミの投稿数そのものが減ってしまう。
また、一部の目立ちたい人がさらに投稿を続けると、結果として偏った物になってしまう。
たとえば私がとあるラーメン屋のレビューを書いたとしよう。
私は今時のコテコテ豚骨醤油はあまり好きではない。結果、豚骨醤油ラーメンの店は私から見ればおいしくない、酷評へと繋がる。
その書き込みが主観ばかりの場合、第三者から見たら「この店はウマくないんだ」ととらえられてしまう。
書き込みが元で客が減ったと言われても、思ったことを書いただけだ。と言うことはできるが、客観性に欠けていれば単に中傷に当たるケースも出てくるだろう。
結果として、文責やサイト自体の信頼性の問題が出れば口コミサイト自体の存続が危うくなってしまう。
小さい業者がやっているのならばまだしも、裏で大手広告代理店、特に日本では二社があげられるが、そういった所が絡んでいるとなった場合、単に広告代理店ではなく詐欺師であり、業務妨害を行なう反社会的企業と言えるだろう。
恐らくここまで事が大きくなるとも思っていなかったのではないか。ただ、ネットの情報は便利故に使う人も多いことから今後さらに問題が発展するのではないかと思っている。

この問題はまだ始まったばかり

ステルスマーケティングの問題はまだ始まったばかりだ。
自由なインターネットの世界、だからといって何をしてもいいと言うわけではない。
早く法整備され、正直に商売をしている人が馬鹿を見ないような方向へと持って行ってほしい。

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