auが新しいプランとして「ピタットプラン」と「フラットプラン」を出してきました。MNVOに対抗するための安いプランだと言われていますが、果たしてそうなんでしょうか。
この二つのプランの特長としては、スーパーカケホという5分以内ならば何度でも電話を掛けても停学となるプランとパケット定額プラン、LTE.netというプロバイダ料金を一つのセットにしたわかりやすい料金体系です。
さらに、ピタットプランは使ったパケットの量に応じて自動的に料金体系が決まる方法のため、データ通信の少ない月には安く、多い月には高い料金が適用されます。
この料金体系は果たして本当に安いんでしょうか。5GBを目安と1GBを目安に考えていきます。
まず最初にスーパーカケホと従来のパケット定額を組み合わせた場合、5GBでは下記の通りとなります。
スーパーカケホ1700円+LTE.net300円+パケット5GB5000円=7000円
これがピタットプランでは
5480円となります。また、1年目に限って更に1000円引かれるので、4480円となります。
ただし、これには罠があって、ピタットプランではauスマートバリューが適応された後の金額となっています。
スマートバリューを非適応の場合にはピタットプランの5GB時点では6480円、あれ?520円しか差がありませんね。
ちなみに、標準的なプランだと最初2年間はスマートバリューも500円追加で割引になるので、それを適用した場合は7000円-1410円=5590円が1年目の料金です。ピタットプランでは4480円が1年目の料金となるので、差額は1110円です。
2年目になるとこの差額が更に小さくなって、5590円-5480円=110円
と、ほとんど差が無くなります。3年目からはスマートバリューの追加分がなくなるので
7000-934=6066円に対して5480円のピタットプランは変わらないのでまた差が出てきます。
586円の違いです。
こうしてみると、スマートバリューを適用している人にとってはそれほど魅力的とは言えないプランでしょう。ただ、パケット定額が少ない1GBなどのプランに関して言うと、スマートバリューを適用しても4400円程度ですが、ピタットプランでは2980円と1420円もお得になります。
つまり、このプランはパケット料の少ない人に対しての救済プランに近い物で、通常のプランとしてはそれほどお得とは言えない物になっています。
さらに、機種本体の料金と毎月割もここに絡んできます。1GBのデータ定額プランは毎月割が使えません。ピタットプランではパケットを多く使って多く料金を支払うプランとなっても毎月割はありません。
つまり、1GB以上使う人にとっては、お得ではなくて逆に割高になる可能性もあります。可能性というか、おそらく高くなりますね。このプランは、散々総務省が言ってた「少ないパケットしか使わない人に対する割安料金を作れ」という1年以上前から言われていたことを、やっと作り出したと言えるかもしれません。
なので、あまりパケットを使わない人、ちょっとした調べ物にSNSが使えてカメラがついていればとりあえずは事が足りる。そういう人にとっては割安なプランと言えるでしょう。しかし、多くのデータ通信を使うとキャリアは高いからとMVNOに逃げた人たちに対しては訴求力がほとんどありません。
また、ピタットプランもフラットプランもiPhoneの新規契約や機種変更は出来ません。既存契約の変更(機種変更を伴わない)時だけ適用が可能です。おそらくですが、アップルとの契約で本体を値引いて売れというのがあるんじゃないですかね。優遇して売れという契約は過去にもiPhoneだけが安かったりすることからも見て取れますし。
見せかけだけのプランに惑わされずに、auなんて使うのは止めましょう。