最近ちまたで流行の【ステマ】、その問題点を考える その1

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最近よく耳にする言葉、【ステマ】。
これって一体何のことでしょうか。
そして、何が問題なのでしょうか。
今回はステマことステルスマーケティングについて考えてみたいと思います。
実例でとある企業に関してのことをメインに書いてあります。

 

ステルスマーケティングとは、あたかも一般市民の様にしながら、特定の宣伝活動を行なうことで、口コミという古くからある宣伝活動を人工的にネット上で構築する行為の事を言います。
もしかしたら、あなたも見たことがあるかもしれません。
特定の製品や特定の機器などをべた褒めするような行為、異様に特定の製品などを貶める様な発言、そういった行為は本当にユーザーとして使ってみての感想以外に企業からの依頼によって意図的に貶めるような発言をする【仕事】をする人たちが居ます。
ちなみにこういった行為は以前から行なわれていて、実はアメリカは2009年に、イングランドも2008年に禁止する法律ができています。

日本での失敗例

日本でも同じようにステルスマーケティングは行なわれていた。
しかし、余り成功してきたとは言えないのも事実であった。
大きなところでは、2005年に起きたWalkmanの体験ブログと称した宣伝で、マッキントッシュを貶める発言をしつつ、素人とは思えないような写真を撮り、Macユーザーだと言いつつwindowsPCのキーボードが写っていたりとものすごく不自然、と言うより嘘だろこれ。
という展開になり数日でブログは閉鎖、Walkmanの発売元はやらせではないと弁明する事件が発生した。
実はその関連会社は前科があって、アメリカでデビッド・マニング事件というものを起こしている。
自社の映画を自賛する記事をあたかも一般のライターが書いたように見せかけて掲載、実はそのライターは存在していないと言うことがわかり問題となった。
このときには幹部が停職処分、会社から謝罪文の発表という自体になったが、実際に誰が文章を書き、誰が支持をしていたのかはわからない、「現親会社の社長(2012年春から会長)」がやったのだと噂されているがこれもわかっていない。
このように、独自に展開するステルスマーケティングは失敗が多く、うまく行っていない。そこで目を付けたのは2ちゃんねるという大型掲示板であり、カカクコムであり、食べログであった。
ちなみに、アメリカでは上記の事件を受けて、ブログ形式でのマーケティング方法を禁止している。

隠蔽されたカカクコムでの大失態

今回ステルスマーケティングという言葉が一般的に出てきたのは食べログの書き込み代行業者、つまりステルスマーケティングの請負業者の一件が出てきてからだ。

*1 リモートホストとは、プロバイダーから振られるIPアドレスを文字列変換したもの。
IPアドレスの所持元などが表示されるのが一般的。
IPアドレスとひも付けされている。

実はその前、価格ドットコムでBOSEのスピーカーをけなし、某社製にします、某社の方が音が良いので。とった書き込みが行なわれたことがあった。
当時は価格ドットコムでは書き込みを行なった人のリモートホストが表示される仕様となっていた。(*1)
そこにはGatekeeperxx.●on●.co.jpと書かれていた。つまり、その某社社内から書かれたものであると言うことだ。
アンチ達はネタにし、狂信者達は陰謀説を唱える、というとても楽しい展開になっていった。
この件に関しては、その後特に発展は無く、強いて言うならば価格ドットコムのリモートホスト表示が消えることになったことくらいだった。
結果としてこの一件は「無かったことになった」という事だ。
しかし、この一件は企業倫理の薄い事を露呈することになり、もしかして企業が自社で宣伝をするために書き込んだのではないかという疑問を投げかけることとなった。
思えば、食べログの今回の事件に関しても運営元はカカクコムなので、まさかと思うがこのときの隠蔽の様にわかっていて黙認してきたけど、たれ込みがあったから仕方が無く調査したよ!
なんてことではないよな。ないと思いたい。

2ちゃんねるは玉石混淆

2ちゃんねるは様々な人々が匿名で書き込みを行なっている。実際には完全な匿名ではないのだが、見た目上は匿名に見える。
リモートホストも表示されていない事から、皆好き勝手な発言を繰り返している。結果、逮捕者が出ることも珍しくないのが現在の2ちゃんねるだ。
そんな中で煽りあいや暴言などは日常茶飯事、そこで他社をけなしても自社を絶賛したとしても「一個人の意見」として扱える。
この「一個人の意見」を意図的に作り出すのがステルスマーケティングの本質なのだが、巨大な掲示板ともなれば、同じ意見を持つものが複数居ても全く問題は無い。
つまり、ステルスマーケティングをやりやすい環境ができているわけだ。
しかし、そこでの発言だけであれば単に大量のThreadの中に埋もれてしまうだけで、他人が目にする機会も少なくなってしまう。
そこで、多数の人の目につきやすいように「まとめサイト」という存在を利用することとなった。
「まとめサイト」は本来目につかないような、でも中身を見るとおもしろいと思うスレッドを紹介するために生まれたのだが、そこで意図的に他社を貶める発言と自社(依頼元)をほめる発言を拾って集めれば、あたかも2ちゃんねるでは特定の会社が人気になっているかの様に作り出すことができる。
それを利用すれば、一部のメーカーの一部の商品は本当に人気があると勘違いさせることができる。しかも本当はその発言は「一個人の意見」ではなく、意図的に作られたものであり、さらに「まとめサイト」が意図的にその発言だけを拾っていくことで直接的な宣伝活動ではなく、第三者視点の宣伝活動が可能となってしまう。
もっとも、この方法はやや手間が掛かることやまとめサイトとのコンタクトを直接行なうわけにも行かない現実もある。

ブームを作りたい広告代理店が間に入ればすべて解決

そして、出てくるのは広告代理店だ。
今回の食べログの書き込み代行業者についても表向きは広告代理店やネットの悪評などを調べる調査会社などと名乗っているケースが多い。
そういった企業が間に立って調整を行なう。クライアントから金をもらって書き込みからその抽出まで、様々な事を行なう。
最終的に矢面に立つのはまとめサイトなどであり、いざ何かがあったときにはいの一番にトカゲのしっぽ切りにされる。

sutema
簡単な相関図。一部は想像を含む

金になるならば何にでも飛びつくハイエナの様な業者は多い。
以前からまとめサイトで収入を得ることは他人のふんどしで相撲を取る事になるため、毛嫌いされていました。
食べログの一件では、業者の書き込みによるものという、至極簡単な手法を使っているが、実はもっと深く行なわれているステルスマーケティングがあると言うことをここではわかってほしい。
つづく。

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