NHK、アナログ中継局を売却へ ソフトバンクに千カ所

http://www.47news.jp/CN/201202/CN2012020201001730.html

NHKが不要になったアナログ中継局を売却するとのことが報道されています。
電話会社にテレビ放送の基地局を売ったからと言って何になるのか、ちょっと書いてみたいと思います。

携帯電話の基地局は

皆さん、携帯電話を使うときに電波が悪いとか、入りづらいとか、経験したことがあると思います。
これは、電波を発信している所謂「基地局」から離れていたり、建物の陰などで電波が届きづらいところがあるせいです。
日本の携帯電話はdocomoの携帯と昔あった日本移動体通信(IDO)が祖となります。
その後、マイクロセル基地といわれる小さい基地局を利用したcellularグループが生まれ、再編を繰り返して今のdocomo、au、SoftBankの3社となりました。
その後、イー・モバイルが生まれ現在に至ります。
ちなみに、イー・モバイルの会長千本氏はKDDIの発足にも携わっており、日本のベンチャーの祖ともいえる人物です。
そんな基地局ですが、もちろん数が多ければ多いほど電波の通りもよくなるし圏外になることも少なくなります。
圏外にならないと言うことは今の時代では当たり前のように言われていますが、まだまだ電波の通らないところは数多くあります。
よく「人口カバー率」という言葉を携帯電話業界では使います。これは、住居のある地域どれほどに電波が通じるかということを示しています。
docomoではこの人口カバー率100%と歌っていますが、これは日本中の民家どこでも電波が届くという意味合いです。
NHKは国営ではないにしろ、どこの家庭でもみることができると言うことが基本となっていました、つまり山岳地や山間部の家庭でも見ることができるようにする必要があったわけです。
その基地局…つまり用地を買うことで電波塔に通信機器を設置できる、電波が通るようになると言うことです。

電波塔を建てるめんどくささ

電波塔を建てるとなると、そこまでの有線による配線、そしてそもそも電波塔を建てていいかどうかの交渉が大きな問題となります。
後発の携帯電話キャリアはこの用地問題がかなりの問題となっています。
費用の問題だけではなく、特に地方では癖のある地主が多いのが事実、苦戦を強いられることになるでしょう。
現に、WiMAXを展開するUQはこの問題に苦戦を強いられています。もっとも、UQの場合には旧Tu-Kaの用地を使うことで都心部での早期展開などを実現しています。KDDIが株主であることの有利な点でしょうね。
SoftBankはその成り立ちから様々なデメリットがあり、iPhoneで加入者を大きく増やした今でも基地局の問題には苦戦を強いられています。
NHKの中継局を買うことによって、山岳地などSoftBankの弱いところを強化できることになり、他社へ追いつくためのとてもいい要素となるでしょう。
正直、SoftBankはその手法から好きではありませんが、ユーザーの利便性が上がることを考えると、いいことではないかと思っています。

民間とはいえないNHKが民間企業へ売るのはどうなんだ

国営ではないが、受信料を強制徴収するようなNHKの用地を一般企業へ売るという行為はどうなんだろうと思ってしまします。
NHKもいろいろな問題で資金が必要なのはわかるが、複雑な感じがしてなりません。
アナログ停波による利益を一企業が得てしまうような行為は避けるべきではないでしょうか。
完全に決まったわけではないので、単なる飛ばし記事かもしれません、それを含めても今後気になる記事です。

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