帯域制限とは、一定以上の通信が行えないようにする事を言います。
ここで言う帯域、この言葉は帯域幅の意味で使われます。
帯域幅とは、広辞苑によると「(bandwidth)情報を担った信号が占有する周波数の幅。単位はヘルツ(Hz)。」と書かれています。
わかりづらいですね、例えるならば車を走らせる道路の車線数が帯域幅で、車はその上を通るパケット。
帯域制限は車線数の一部を一時的に通行止めにする事で通る車を制限する、そう思うと少しわかりやすいでしょうか。
帯域制限なんてものをなぜ行うのでしょうか。
パケット定額なんだから、好き放題使えるようにして当然だ。そういう意見が出るのはよくわかります。
しかし、それを許すと携帯電話の通信網でP2P(ピアツーピアといい、一般的によく言われるファイル交換ソフト、Winnyやカボスなどの通信に利用される通信方式、近いうちにこのあたりの用語も説明します。)を利用する人が出てきてしまいます。
このP2Pはネットワークに多大な負荷を発生させます。そのために、一部のユーザーによってネットワークの帯域が占領されてしまい、ほかのユーザーが通信できなくなることや速度の著しい低下を起こすことがある。
同じ料金を払っているユーザー同士でありながら、このような差異が発生するのはおかしいこと。
不平等を緩和するための処置として帯域制限が行われるようになっていきました。
例えるならば、首都高速などで走り屋や暴走族が大量に走り回って、本当に使いたい人たちが通行できなくなるのは芳しくないので取り締まりを行う(強化する)ということです。
この帯域制限は各キャリアごとに規定が異なります。
帯域制限が早く来るところと遅いところ、違いがあるのは当然です。
料金体系に関してはほぼ横並びになっている携帯キャリアですが、実は帯域制限に関してはやや異なっています。
クリックすると拡大して表示されます。 |
制限が一番きついのはSoftBank。
元々通信設備の関係でパケット定額が厳しいと言われていたSoftBank(これはVodafone時代から言われていたので、SoftBankが悪いというわけでもありません)、iPhoneブームの影響で公式発表以外にも帯域制限をこっそりとかけていたことでも有名です。
一番緩いのはイー・モバイルですが、元々は月間300ギガバイトまで制限がなかったものが30ギガバイトで制限に変わり、そして一日あたりの制限へとさらに変わりました。
一時期はこの極端な制限にユーザーからの反感を買い、解約率が飛躍的に伸びたとも言われています。
ちなみにこの表ではウィルコム、UQWiMAXは入れていませんがウィルコムは元々の速度が違うため比較対象になりません。
WiMAXは社長自らが制限はかけないと名言しています。
LTEサービスのクロッシィは一般的な用途であれば問題ないだろうというレベルでの制限をかけています。
例えネットジャンキーだったとしても月間7GBはパッチや大容量ファイルを落とさない限り引っかかるような制限ではありません。
ちなみに1時間で1GBの通信をした場合にいったん通信が遮断されます。ファイル交換を防ぐための処置でしょう。
また、イー・モバイルの一日あたり300万パケットも1日約366MB(正確にはMiBだと思います、これも後日書きます。)もネット閲覧ではものすごい制限とも言いかねます。
3日で300万パケットもスマートフォンでネットを見るレベルでは動画を頻繁に見るのでなければ引っかかる制限ではないように思えます。
ただ、YouTubeも見られますなどと謳ってる割には見ていると結構な頻度で制限が掛かるのはいかがなものかと思ってしまう。
この3社においてはヘビーユーザーの締め出し…ヘビーユーザーのせいで割を食うユーザーを減らすためという意味合いが強い。
しかし、SoftBankだけは普段使っている上でも制限が掛かりやすい。
月間1000万パケットということは、1日あたり約33万パケット、約35MBの通信しか行えない。
YouTubeならば10分~15分も動画を見れば達してしまう。
さらにたちが悪いのは、iPhoneにして快適だーと言っていた開通月と翌月は問題なくてもそれ以降いきなり制限が掛かってくるわけで、このやり方は正直どうなんだろうと思ってしまいます。
それだけ回線が厳しいのかもしれませんが、どんどん増設すると言っていた割にはこの制限は緩和されていません。
仕方が無いことなのかもしれませんね。
帯域制限とはなにか、なぜ行うのか。
少しはわかりましたでしょうか。
通信業者もがんばっていると思いたいのですが、もう少し帯域制限に関しては緩和してもらいたいと思います。
というよりも、制限をかけるのであれば「定額で高速通信が使い放題」などのうたい文句はやめるべきではないでしょうか。
使い放題かもしれませんが、使うと高速ではなくなったりするのですから。
次回はApp StoreやAndroid Market、オンラインでソフトを買う公式のマーケットについて少々書いてみたいと思います。