最近のホットなニュースとして、auがやらかした事が大きく取り上げられています。何でこんなことになったのか、そもそもLTEでAndroidとiPhoneでなんで違うんだよ。というところを考えてみましょう。AndroidとiPhoneで違う点は、利用できる周波数が異なるというところが挙げられます。例えば、Android端末で利用できる周波数帯は800MHzをベースに2.1GHzをサブにという風に複数の周波数帯を利用するようになっています。
これは単に端末の設計に関する部分であり、auが悪いという事ではありません。
SoftBankも同じ端末を利用していますが、もともとSoftBankはiPhoneで利用可能な2.1GHzをベースにしており、iPhoneだけを考えるとSoftBankの方が明らかに有利な展開をしています。
これに対してauは800MHzをベースにしているため、iPhoneで利用できるLTE周波数帯が大きく異なる事になります。
ここで、なぜ2.1GHzだけしか使えないんだ、というところに関して少し説明します。
LTEは規格でいくつかの周波数を分けて「バンド」としています。今のところ有効なバンドは1〜28までとなっており、通常はバンド1とかバンド3という呼び方をしています。
SoftBankの利用するGSM版とauが使うCDMA版、両方とも日本の携帯キャリアが利用できる周波数帯で対応しているのは「バンド1」と「バンド3」の二つだけなのです。そして、バンド1というのが2.1GHz帯として利用できるバンドです。
ちなみに、バンド3は現在イーアクセス(イー・モバイル)が利用している周波数帯で、SoftBankによる買収でSoftBank版iPhoneはこの2つのバンドを利用することが可能になりました。iPhone万歳のSoftBankらしいやり方ですね。
auはiPhoneを販売していますが、Androidも力をいれています。そして、LTEに関していえばバンド18(主力の800MHz)とバンド11(1.5GHz帯)をAndroid用に利用しています。つまり、エリア展開としてはiPhone優遇をしているというわけではありません。
この使える周波数帯というのは端末に搭載されている通信チップによって決まるため、Appleが対応をしないことには変化が起きることはありません。
auのサイトではAndroidのLTEマップはあってもiPhoneの対応エリアは住所一覧しかありません。また、住所一覧も検索によって表示されるエリアと75Mbps対応エリア一覧では差異が見られます。つまり、検索した時に出てくるのはLTEでも37.5Mbpsエリアで、一覧表のみ75Mbpsを表示させているようです。
それだけエリア展開に自信がないんでしょうね。
ひとつだけ擁護するとすれば、auは昔から通信方式において悩まされてきました。古くはハイキャップ方式を導入しようとするもセルラー各社の足並みが揃わず、アメリカからの政治圧力もありTACS方式を採用し、PDC方式も一時期導入するが後発となりシェアも上がらない。そして、新しくCDMA Oneを導入するに至るなど、GSM以外の通信方式を一度は採用しているような過去があり、今回もまたCDMA EVOーDOから新しくLTE網を構築して行くなど、また迷走を始めたという感じになっています。
だから、こういうことも起きる可能性があったんではないかな。と擁護にならない擁護をしてみます。
まあ、個人的にいうならば、iPadを利用していますけどLTEだから、3Gだからでそれほど違いを感じることがありません。自宅ではWi-Fi運用なので固定回線につながっていますしLTEもそれなりに入りますし。
私の場合、京急線なので横須賀市内はトンネルだらけでそもそも通信できないことも多いし、都心部へ出れば大体LTEで繋がる。
3Gも最大9Mbps出てればそんなに文句はないんですけどね。3Gのみの契約よりもパケット代なども安いですし、通話は高いけど。
今回は結構大きなニュースとして扱われていましたが、過去にはSoftBankも黙って64kbps制限をかけた事があったり、3G回線では強い帯域制限をかけたり、docomoもXiサービスインの時には混乱を招いたり未だにバッテリーの持ちが悪かったりと問題があります。
スマホにしたからっていいことがないという人もいますし、まだしばらくはこういった混乱が起きるのかもしれませんね。