総務省の指導はいったい何だったのか、今のケータイ事情を考える

日本では長い間インセンティブによって端末代を割り引きし、月額料金はそれなりに取る。という手法が取られていた。これは、端末を長期利用する人にとっては不利な契約であり、不満の声が上げられていた。

そして、政府も重い腰をやっと上げて2008年に総務省より、インセンティブ商法の是正を求める指導を各キャリアに行うこととなる。これは、端末代と基本料金を分けて考えることによって、端末の長期利用者にはそれなりに安い料金で利用できるようにするという一部の人にとってはとてもいい是正となった。

しかし、2年程度で端末を買い換えていた大多数の人たちにとっては、端末代が一気に高くなり今まで無料、1万~2万程度で購入できていた物が一気に6万、7万と上がっていった。おいそれと買い換えが出来る物では無くなっていったのだ。

これに対して各キャリアは、割賦販売を開始。基本料金を抑えつつ、割賦販売で24ヶ月分割などにすることによってその期間はやや高いが、それを超えたら安くなると言う手法を取るようになり、一旦は長期利用者が損をしない契約へと変わった。

結局長期利用が損する制度へ

割賦販売は24ヶ月払いというのが多いため、その期間に関しては他の値引きをつける。という手法が現在増えている。たとえば、LTEのテザリングオプションは525円が最大2年間無料。これは大手三社ともに行っているキャンペーンだ。それとは別に、最初の2年間だけ無料。というサービスなどを数多く行っている。

MNPの場合、だいたい2年間基本料無料という施策を行っているため、700円~1000円程度初期の方が安い。2年以上継続して契約すると高くなる。2年ごとにキャリアを移動しろと言うことかもしれない、それが出来ないなら高くても文句言うな。つー事でしょうね。

私は、今MOTOROLAの機種を2年使った。こいつは定価で買ったので今後は端末割賦費用が無くなる分だけ安くなる。ある意味正しい使い方をしていた。しかし、今後機種変更をしようとするとこれが通用しない。テザリングを使いたければ2年後に機種変更などをしろということだ。

これは、現時点ではあるが、テザリングオプション無料の条件が「新規契約・機種変更・MNPを行い契約した場合」とある。2年後もおそらく同じ施策を行っているだろう。そう考えると、やはり契約をし直せと言うことになる。

また、ソフトバンクとKDDIが展開している固定回線を利用していると最大2年間1480円引き、というものに関してもKDDIはそれ以降、つまり3年目以降は980円と減額される。ソフトバンクはもっとひどい物で、2013年6月に規約が変更。スマホBB割は2年間のみで、3年目以降は割引が消える。KDDIの後追いをしつつ劣化しておりなおかつひっそりと規約を変えているといういつものあくどさ。

ソフトバンクはさらに今回iPhone5sの契約で1年間パケット代を4410円へ割り引く施策をしているが、2年目以降通常料金になり、高くなる。さらに3年目以降は500円高くなる。

確かに、端末代と基本料金は切り離された。しかし、結局2年を超えるときに契約変更などの手段を取らないと割高になるサービスを提供しつつけている。継続利用者もMNP利用者も同じサービスを提供する。今度はそういう是正を求めてはいかがだろうか。特に今のLTE契約はあまりにもおかしいと感じる物ばかりだから。

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