知名度を上げたAndroid auをなぜ捨てた。

こんにちは、tknriiiiです。
私は10年来のauユーザーです。
私が契約した時はちょうどCDMAとなって安定し始めた頃でした。
そんなauもスマートフォンで出遅れ、大キャンペーンを打っていました。
Android auと銘打ってau=Androidと勘違いさせるほどの勢いでした。
しかし、2011年9月末で突然この言葉を使わなくなってしまいました。
Android auとは何だったのでしょうか。
今回はauの迷走っぷりを見ていきたい。

Android au以前は

ここ数年のスマートフォンブーム、そしてiPhoneブームはあったがそれ以前にも各社は独自のスマートフォンを展開していた。

brackberry
NTTドコモが発売した
BlackBerry 8707h

is01-2
au最初のスマートフォン(スマートブック)
IS01 Android1.6搭載
IS02_Open
IS01より先に登場した2機種目
IS02 Windows Phone6.5.3搭載

docomoはblackberry搭載機種などをビジネス向けモデルとしてdocomo PROシリーズを出し、ソフトバンクは一足先に2008年からiPhone3、2009年にはiPhone3GSを発売。ブームに乗って多くのユーザーを獲得していった。
auはそれまでスマートフォン市場はほとんど目を向けておらず、ビジネス向けにwindows Phoneを1機種出すにとどまっていた。
iPhone3以降、急速にスマートフォンへ興味が移っていくとdocomoは2010年4月にXperiaを発売し、ビジネス向けではなく個人向けのスマートフォンへ本格的な参入を果たす。
出遅れたauは2010年6月末にIS01と02を発売。
IS01はシャープが開発を行なったハンドヘルドPCタイプで電話として向かない、Android1.6を搭載し、日本独自の機能はワンセグのみを搭載している。
IS02は東芝が開発、windows Phone6.5.3を搭載したスライド式のキーボードを持つモデルで、こちらはキャリアメール、つまりezwebのメールも利用できない機種であった。
どちらの機種もdocomoに同じ端末が供給されており、通信方式以外は変わらないのだが、docomo版もau版もほとんど売れなかった。
ガラケーと言われる日本独自のサービス満載のケータイから乗り換えるだけの価値がない、この頃の国産メーカーのスマートフォンは迷走していた様にみえる。

大キャンペーン、IS03

2010年秋モデルとしてiPhone4がデビュー、解像度からCPUから明らかにアップグレードされた機種に人気は殺到。
iPhoneブームにさらに拍車が掛かるとdocomoはSamsungのGalaxy、シャープのLYNX、7インチタブレットのGalaxy tabなどを発売。
iPhoneのみ売れる状況に待ったを掛けに行く。
取り残される形になったauは、iPhoneにはないガラケー機能を満載したスマートフォン、最近ではガラスマ(ガラパゴススマートフォン)と言われる日本向けのスマートフォンを1機種何とか発売へこぎ着けた。
iPhoneには勝てなくても少なくともユーザーの流出を抑える事ができるであろうという戦略だったのかもしれない。
そして、ガラケー機能を搭載したことを前面に押し出し、おサイフケータイが無いiPhone、Flashが動かないiPhoneと蹴落とすようなCM展開も行なっていった。
そして、docomoでもSoftBankでも出しているAndroidケータイをあたかも自社だけであるかの様に大々的にキャンペーンを行なった。
未来へ行くならアンドロイドを持て「Android au」
その第1弾として展開したのがIS03というわけだ。
事前予約も上々、発売日に手に入らないユーザーも現れるほどの大盛況ぶりだった。
情報に疎いユーザーは「auがiPhone対抗にAndroidというのを作った」と勘違いする事もあるほどだった。

ガラケー機能を搭載する「無茶な行為」

IS03はシャープ製、シャープと言えば以前からスマートフォンを発売していた。
ウィルコムから発売されていたW-ZERO3、Windows Mobile5を搭載した初期のスマートフォンを発売し、後継機種、Advance ES(通称アドエス)なども評価は高かった。
W-ZERO3のためにウィルコムを買う人も居たくらいだ。

wzero3
シャープ製ウィルコムの
スマートフォン
W-ZERO3

あの当時、PDAの市場が崩壊してPDAを求めるもの、ガジェット好きがW-ZERO3を求めたものだ。
シャープは市場をある程度わかっているが、無茶なことをして残念な結果になることも少なくない。
このIS03はワンセグ、おサイフケータイを含めauが行なっていたサービスにほとんど対応している。
防水機能とWIN HIGH SPEED(最大9.3Mbps通信が可能)に対応していないだけと言える。
かなりハイスペックなものではあるが、残念な事にその分バッテリーなどが犠牲になっている。
システムトラブルも多く、良くも悪くもシャープの端末らしいものに仕上がっている。
Android auを代表する端末となっており、様々な機種が出た現在でも一定のシェアを持っている。
このIS03以降はガラスマが一般的となり、ほとんどの機種がガラスマとなってしまっている。
やはり、スマートフォンになっても日本独自のサービスは捨てられないという所か。

唐突に終了したAndroid au

キャンペーンの終了として9月末で特設サイトを突然閉鎖し、Android auの文字は端末の起動画面程度で表面上出てくることがなくなった。
そして、登場したのがWindows phone7.5そしてiPhone4Sだった。
Android以外のOSを出すことでau=Androidの図式が邪魔になったのだろう。
また、キャンペーンのなかでiPhoneを貶める様なCMを展開していたのもiPhoneを呼ぶためには邪魔だったのだろう。
かくしてAndroid auは終わった。
その突然の終了に一部ユーザーからは「やっぱりiPhoneが出るんだ」と噂され、その噂は現実となった。
それにしても余りにも突然の終了に何が起きたのかとネタにする人も多かっただろう。

節操のないauの誤った「ウォーズマン理論」

docomoはAndroidメインに端末のブランドを売りにしている。
GalaxyやXperiaと言ったグローバルモデルを出し、Xperiaに至っては日本向けにカスタマイズしたモデルまで出している。
SoftBankはAndroid機種も出しているが、iPhoneが余りにも前面に出てきており料金プランなども優遇されているiPhone以外のユーザー獲得はほとんど行なわれていない。
どちらも自社の特徴を出そうとしているが、auだけAndroidメインだったがiPhoneに移りました。
さらに世界初のWindows phone7.5も出しました。と節操がない。
選択肢を増やすことでユーザーを獲得しようとするのはわかるが、その一つ一つがややおざなりな機種になりつつあるのが残念でならない。
auは他社より多い三つのOSを端末に用意し、グループ会社であるUQ-WiMAXの回線を格安で使えるようにし、Wi-Fi設備を急ピッチに整備している。
三つのOSが使える端末を持ってシェア3倍、WiMAXと3G、Wi-Fiも使えるから3倍の3倍で9倍だ、というウォーズマン理論でも考えているのだろうか。
さらに、LTEを新800MHz帯(後述)で展開する予定のためau一社でCDMA EVO-DO、WiMAX、LTE、さらにはWi-Fiスポットと多数の通信方式を持つことになる。
手を広げすぎているというよりは迷走している感じが否めない。

実は背水の陣で挑んでいるのかもしれない

auは、2012年7月に周波数再編のため、一部の周波数帯を返却、変更しなくてはいけない。
一般的には旧800MHz帯と新800MHz帯と言われており、利用できなくなる端末が発生する。
docomoも800MHz帯を利用しているが、こちらは主に第二世代携帯電話、movaで利用していたため、auほどの対処は必要が無い。
movaは2012年3月31日で停波が決まっており、切り替えを行なう必要も無い。
新800MHz帯にすべて切り替われば、CDMA-EVOのグローバルモデルが利用可能となり、Verizonで使われるグローバルモデルを輸入販売することもできる。
現在もHTC EVOや3D、MOTOROLA PHOTONなど一部モデルを展開しているが旧800MHz帯に対応していないため、電波が不安定な場所がまだまだ多い。
以前auは大手携帯通信では「純減」を経験している。
それも携帯電話が爆発的に普及をしているときの話だ。
今、電波事情が多少悪いからと行ってそうはならないだろうが、少しでも不便だとMNPを使って他社に簡単に移動できるのが今のケータイ事情、手を広げすぎて収拾がつかない、簡単にユーザーを切り捨てないようにがんばってほしい。
通信の品質低下は致命的なのだから。

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