パケット通信により携帯各社の通信が切迫してるそうだ。

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とある調査機関によると、日本のケータイは6月末の時点で934万契約がスマートフォンになったそうだ。
現在の日本のケータイ契約は1億2千百万契約なので、まだ10%にも満たないシェアだ。
しかし、ケータイ各社はネットワークが切迫していると言って来ている。
本当にそうなのだろうか?

      

そもそもスマートフォンって何なんだ?

docomoがスマートフォンでauがアンドロイドでソフトバンクがiPhoneじゃないの?
(スマートフォンは総称で、アンドロイドはOSの名前、iPhoneはアップルが開発しています)
その様な事を言う人が少なくない今の日本のケータイ事情。
パソコンとネットを使ってもWebの閲覧とメール、SNS等を使用する程度。
学校で使うから、レポートはWord文章で提出だから仕方なくパソコンを買った。
その様な人々がまだまだ多いこの国、購入すれば直ぐにネット接続が可能なケータイは便利で手軽だ。
日本の所謂【ガラケー】も色々できるが、OSなどの仕様が非公開であるため、個人でソフトウェアの開発などを行うことはできない。
JAVAを使ったアプリケーションが動くモデルもあるが、できることは限られている。
スマートフォンの定義ははっきりと言えないが、汎用性の高いOSを搭載しビジネスアプリケーションにも対応できること。
その手軽さと、PIM(Personal Infomation Manager/個人情報管理)、もちろん音楽を聞いたり、電話をしたり、パソコンと同じWebを閲覧できること、キーボードなどの搭載し入力デバイスがしっかりしていること等、PDAの機能を持ち合わせている事が特徴として挙げられる。
日本向けのスマートフォンは、そこにガラケーで利用できていたお財布ケータイや、地デジチューナーを搭載し、スマートフォンでありながら日本独自のサービスを展開している。
一台で事が足りるからこそスマートフォンである必要性があるのだ。
大掛かりな作業を行なわない人々にとっては、パソコンでやっている殆どの事はスマートフォンで事足りる。
パソコンを無理して買わなくても気にならない、むしろiPhoneユーザーなどはバックアップや音楽の転送のためだけにパソコンを使う人も少なくないだろう。
自然とパソコンと固定回線から、ケータイ各社のパケット通信へと移行していく事になる。

スマートフォンのメリット

日本独自の文化として発展してきた、iモードを筆頭として今まではネットに関しては、パケット通信が従量課金だったために、ケータイ向けにパケット量の少ない通信にするための工夫を施してきた。
1999年にdocomoがスマートフォンを出荷した。BlackBerryと呼ばれるそれはQWER配列(所謂パソコン)のキーボードを持ち、ブラウザを搭載し一般的なウェブサイトを見ることができた。
そして、MicrosoftOfficeファイルを開くこともできた(編集は行えない) 。
当時はまだパケット代が従量課金、ちょっとウェブでも見ようものならあっという間にパケット代が数万円になる時代だ。
当時あった言葉に「パケ死」、つまりパケット代で料金がとんでもなくかかってしまい、携帯代を払えないという事がよくあった。
それが変わったのが2003年、auが開始したEzフラット。
パケット定額サービスだ。
上限金額は5980円とやや高く思えたが、EZwebが無制限に使えるとあって、加入者は一気に増えていった。
後に「無制限」だったEZwebは、1日の通信上限が決まってしまうことになった。無茶をするユーザーが結構いたからだ。
翌年2004年にはdocomoとボーダフォンがパケット定額を開始、2005年には当時のau上位機種に搭載されていたフルブラウザが定額の対象になり、ケータイでの通信が身近になっていった。
そして、Vodafone(現ソフトバンクモバイル)もパケット定額を開始し、3社ともパケット定額のプランを用意する事となった。
このときから、いずれは限界が来るであろう事もわかっていたのではないかと思う。
しかし、これらの通信はすべてケータイ用に特化したサイト、iモードであり、EZwebであり、Vodafone live!であった。つまり。パソコンで見る画面とは全く異なる独自のコンテンツ群だ。
パケット定額となり、日本の携帯電話の高機能化は進んでいったが、日本独自の電話機は世界では競争力が無く、市場の飽和も伴って徐々に開発が厳しくなっていった。
そこで、高機能を持ち合わせつつ、日本独自ではない電話機の開発が進められるようになっていった。
世界中では、すでに利用されているスマートフォン、これをベースに日本のサービスを付加価値としてつければ開発費も抑えられる。
そして開発費が抑えられれば、開発サイクルが短くても対応が可能となる。
まさにメーカーにとっては一石二鳥だ。
しかし、そのスマートフォンはPCと同じサイトを見るためにパケット量が多くなる。
前述のiモードで使われるパケット量とは大きく異なる。
そのために、通信料の増大に耐えられなくなっていると各社は言うわけだ。
自分たちがガラケーを捨てて、スマートフォンへ移行を促しているのに、そのスマートフォンが原因でパケット通信の限界があると言ってきている。
下手をすればパケット定額ができなくなると言うことも言っている。
どことなく本末転倒な感じがしてならない。

経営を圧迫?

パケット定額が厳しくなれば、価格の上昇をせざるを得なくなる。
そうしなければ、限界があると各キャリアは言っている。
本当にそうなのだろうか。
たとえば、docomoはhttp://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/finance/highlight/にあるように、2007年からみても毎年純利益が4000億円を下っていない。
税引き前の営業利益では8000億円を超えている。
これだけの利益を出しておきながら、経営を圧迫していると言うが、営業収益が4兆円で純利益がその1割に当たる4000億円。
もうけすぎといわれても仕方がないのではないだろうか。
通信業界は競争があるように思えて、料金は横並びにする事が多い。
サービスも横並びになりやすい。あげるときもおそらく一緒だろう。
本当の意味での自由競争とはいえないのではないだろうか。
それでいて、既存ユーザーの満足度などを無視して価格を上げようとしている。
それが本当に正しい方向性なのだろうか、今更ケータイ電話の無い時代に戻れない、手軽にネットにつなげる方法が無くなるのも困るこの時代に、そのことを人質にして価格を上げようと模索しているのではないかと勘ぐりたくなる。
今後も増え続けるであろうスマートフォン、その行く末にあるのは天国か地獄か。まだ判断できるときではないが、今後の動向は今まで以上に目が離せない。

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