まだ見ぬ君のスマートフォンへ~ガラケー化するスマートフォン

image
スマートフォンへ変更するメリット、それは手軽にちょっとしたことを調べたりアプリを利用して様々な楽しみを見いだしたりする事でしょう。
小さいパソコンなので音楽や動画を楽しむことも出来ますし、ゲームだってある程度できます。
そしてもちろん通話やメールなども可能です。様々な事に利用できるのがスマートフォンの特徴とも言えます。
しかし、本当にそこまで必要なのでしょうか。

 早い話、ガラケーをやめたいメーカーたち

スマートフォンの普及に大きな影響を与えたのがiPhone、初代はGSMといわれる通信方式のみ対応だったため日本では発売されませんでしたが、アメリカでは600万台を売り上げるヒット作となっています。
そして、その後Androidが現れます。Androidとは、OSの事で簡単に言えばWindows、MacOSと考えればいいでしょう。
これを利用することで、メーカーは独自にOSを開発する必要がなくなります。
ソフトウェアの開発費用を抑えることが出来る事で、利益を上げやすくなるということでしょう。
また、世界で使われているOSを利用することで日本のみでは無く海外へ出荷することも可能になり、さらに売り上げを伸ばすこともできます。
現に、パナソニックモバイルは海外向けに一度は撤退したものの、2012年に再度参入することを発表しています。
高機能なだけでは無く、日本流の軽量コンパクトな「防塵・防滴(防水)」のモデルをひっさげて。
スマートフォンは使いやすいかもしれないが、日本が培ってきたフィーチャーフォンの文化もそれほど悪いものではありません。
むしろ、閉じられた空間に限られていたために使いやすい部分がたくさんあります。
しかし、これらは日本以外では売ることが出来ない。iモードもEZwebも海外では利用できない、日本という限られた中でしか有効では無いサービスなのです。
フィーチャーフォンを売ることが出来ない日本メーカーは出来る事ならばフィーチャーフォンの開発を辞めてしまいたい。
コンテンツホルダーだってわざわざ専用サイトを作る必要がなくなる。確かに一般向けのサイトでは月額費用を取ることが困難になる可能性もあるが、パソコン向けのサービスに入会する機会を作る事になるかもしれない。
割高のフィーチャーフォン向けサービスで得られなくなる月額料金を、パソコン向けなどでもっと高額なサービスへ切り替えさせる事ができるかもしれない。
そう思っている矢先にiPhoneのヒットがあり、Androidの登場となった。
フォーマットを世界標準にしてしまえば、海外需要も見込めるし無駄なソフトのコストも抑える事ができる。
メーカーにとってはいいことずくめなのがスマートフォンなのです。

使い勝手が逆行していくスマートフォン

日本独自の機能を搭載しつつも、海外モデルではそれらをつけない(利用できない)ようにすればいいだけのことです。
そうしたモデルで海外でも売れるようにがんばろうとする努力のかけらは見られます。
しかし、iモードに始まった文化はなかなか払拭することが出来ません。
1999年から始まったサービスなので、10年以上も使われてきたシステムです。そう簡単には皆がなじむわけではありません。
フルブラウザと呼ばれる、一部高機能フィーチャーフォンに搭載されていたPCと同じサイトを閲覧できるサービスも出てきていたとは言え、その機能は限定されており解像度の問題などから常用するというところにまでは至らないのが一般的でした。
そしてスマートフォンが登場しパソコンと同じように、それこそFlashがあるサイトやhtml5、動画サイトだってみることが可能になっていきました。
しかし、パソコン向けのサイトはさらに発展していき、スマートフォンの解像度では事足りない事が出てくるようにもなっています。
特に縦持ちが多いスマートフォンでは、横長のパソコンディスプレイと根本的な構造が異なり、やっぱり見づらいところが多々ある。
ではどうすればいいのだろうか。
簡単だ、スマートフォン用のサイトを作ってしまえばいい。そうすれば、スマートフォンに特化した見やすさを得られる事になります。
あれ?
コンテンツホルダーからしてみれば、結果としてスマートフォン用のサイトと一般パソコン向けのサイトを構築する事になってしまう。
手間が増える割に、スマートフォンむけサービスは専用のポータル、AndroidならばGoogleplay、AppleならばApp Store。
それぞれがっちりと入り口を押さえており、フィーチャーフォン時代のようにキャリアが生殺与奪の印を持たなくなる。
コンテンツホルダーの思惑は外れてしまうこととなる。
ましてや、スマートフォンではYouTubeやニコニコ動画なども容易に見ることが出来る。
フィーチャーフォンにあった「着メロ」もMP3ファイルを直接扱えるスマートフォンでは存在する意味が無い。
自分で買ったCDなどから直接音楽や動画を取り込むことが可能になってしまうのだから。
すべてとは言わないが、コンテンツホルダーとしては手間が増えても利益が増えない散々な結果になってしまっている。
また、デコメといわれるデコレーションを販売していたところにも影響が出ている。
というのも、デコメはキャリアメール(@docomo.ne.jpなどのメールアドレスを利用するサービス)でこそ真価を発揮し、Gmailなどのパソコンで使われているサービスではあまり利用されることは無い。
また、SNS(ソーシャルネットワークサービス、Facebookやmixiなどのサービス)やメッセンジャーサービスでも利用されることはほとんど無い。
いちいちデコメサイトで有料サービスを受けなくても版権がらみで無ければ有志が作成したものを落とすことも可能となってしまっています。
オリジナリティを出し切れないコンテンツホルダー、サービスそのものが不要となってしまっているコンテンツホルダー、雨後の竹の子のように現れた数多くのサイトのうち、多くのサイトは廃業やコンテンツの変換などを強いられることだろう。

過渡期のナンセンスな「専用サイト」

現在はまだスマートフォンへの過渡期とも言えるでしょう。
そのため、専用サイトを作成するというナンセンスな事が行われています。普通に考えれば、スマートフォンにすればパソコンと同じように扱えるので、専用サイトなんて必要無いというのが理想型なのですから。
ここ最近出ているハイエンド機で横持ちするならばこの症状は少し押さえられるかもしれません。
1200×720ドットという解像度ならば、ワタシが普段利用しているノートPC、TimelineX AS3830Tの解像度と大差が無いのですから。(1366×768ドットの解像度を持っている)
パソコンはこれらの解像度を11インチや13.3インチといった大きさで表示している。(1インチは2.54センチメートル)
ほぼ同じ解像度を5インチや4インチ程度で表示しているのだから、その文字の細かさは「ご理解ください」と言ったところかもしれない。
かといって、スマートフォン専用サイトを作るのはナンセンスだ。
そういうことをするのであれば、「何のためのスマートフォンなの?ガラケー(フィーチャーフォン)で十分なんじゃない?」と感じさせてしまうことがあるからだ。
メーカーは自社の思惑の関係でコンテンツホルダーを殺し、利用者をも理不尽な世界へと向かわせているのでは無いでしょうか。

日本のパソコンの歴史を見ているようだ

歴史は繰り返すと言うが、この流れは20数年前を思い出してしまう。
巨人NECの98シリーズとEPSONの互換機、企業ベースに食い込んでいたFMR(FMVシリーズの前身でなんちゃってDOS/vマシン)シェアは少ないが小穴ユーザーが多いX68000。
それぞれOSも異なり切磋琢磨していたがDOS/vという黒船が現れNEC以外はすぐにDOS/Vへ転換、NECも数年の間を置いて転換していったあの頃。
海外メーカーの安価で高性能なパソコンが出ることで駆逐されていった日本メーカー。
フィーチャーフォンで独自性と独自OSを持っていた各社、Androidという統一OSが現れそちらに流れていく各社。
間違った方向で付加価値をつけていき、市場に受けいられなかった日本メーカー。
独自性を出せずに海外メーカーに駆逐されていく様をみていると、同じ事が起きているのかなと思ってしまう。
日本向けのサービスを付加価値とすることで生き残りを図る各社、しかしそれは生き残りの手段では無い事は誰の目から見ても明白だ。
そのときのことがフラッシュバックしている。
それらをつけて生き残るのならば、フィーチャーフォンで十分なのだから。
おそらくこの流れは止まることが無く、個人的にはNECや富士通は市場から撤退するのでは無いかと思っている。
シャープもいまの状況を見る限り撤退の可能性もあるし、そうなると日本メーカーとしてはパナソニックしか生き残らないと言うことになってしまう。
あ、ソニーもあるがアンチソニーなのであえてごめんなさい、スルーします。
パソコンとしてもパナソニックはレッツノートという名作を生み出し、いまでも市場で生き残っているがultrabookを名乗る各社に苦戦を強いられている。
良くも悪くもガラケー文化から抜けきらないいまの日本メーカー、歴史は繰り返すかもしれない。
出来る事ならばそうなっては欲しくないと思っています。
こうして考えると、スマホは必要か?でも書いたとおり、無理してスマホにする必要って何でしょうか。
単にメーカーがガラケーを駆逐したい。という一点に絞られてしまっているのでは無いでしょうか。
それはさすがにどうかと思ってしまいます。

といいつつ、ワタシはグローバルモデルのMOTOROLA PHOTONを使っているんですけどね(笑)
おサイフケータイやワンセグなどに興味が無い私のようなユーザーも多くいることをわかって欲しい。
だって、それらが無ければだめというならば、iPhoneがあんなに売れるわけは無いのだから。

 

今回はだらだらと愚痴っぽく書いてしまいました。
でも、日本メーカーが今後飛躍して欲しいと思う気持ちはあります。
あ、ソニーは嫌いなのでつぶれてもいいですけどね。

次回は未定です。

フォローする

コメントを残す