今年のスマートフォンを振り返ってみる

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こんにちはtknriiiiです。
今年は1年ありがとうございました。
来年もまたPuppeteer.meをよろしくお願い申し上げます。

さて、今年の携帯電話業界はスマートフォンの話題で持ちきりでした。
ニュースサイトでも「今年2011年はスマートフォン元年」という記事も多く見られました。
そこで、今年一年を振り返ってどんな年だったのかをtknriiii的に書いてみたいと思う。

元年前夜、iPhone4の躍進

2010年6月に発売されたiPhone4は市場を席巻した。

 iphone
市場を席巻したiPhone4

docomoやauは端末を出しても売れないし、MNP(モバイルナンバーポータビリティ:事業者間で電話番号を持って行けるサービス)によって転出超過、つまりSoftBankへと流れていく自体が長く続いていた。
ここからスマートフォンへの本格的な移行が始まっていったと行っても過言ではありません。
iPhoneに対抗するためには同じようにスマートフォンを出さなくてはいけない。
それも、可及的速やかに。
docomoはBlackBerry端末をそれ以前から発売していたが一般向けのものではなく、キャリアメールが使えない事などからビジネス向けモデルと位置づけていた。
iPhone4対抗のためにコンシューマー向け端末が必要となったdocomoはLYNXとdynapocketというauのIS01,IS02と同等の機種も発売した。
LYNXと言う名前は、レトロゲーマーには別のものを思い浮かべさせるもので、形状や用途からしてもスマートフォンとは全く違うものであった。
dynapocketのコンセプトは遙か昔のW-ZERO3の時代のコンセプトの様に見え、スタイリッシュでUIも優れたiPhoneには到底歯が立つものではなかった。
2010年10月、docomoはSamsung製のグローバル端末「GalaxyS」をリリースする。
春に発売されたソニー・エリクソン製Xperia SO-01Bと同様に支持を得た。
同じ頃auからもIS03が発売され、こちらも多くの支持を得た。
そうして2010年は暮れていき、本格的な戦争となる2011年へと突入した。

国産メーカーの逆襲…のはずが返り討ち

docomo、auともにiPhone以外の端末でシェアを維持するべく、国産メーカーと共同してガラスマ(日本独自の機能を搭載したスマートフォンの通称)を多く出していった。
東芝からREGZAブランドを持ったREGZA phone、スタイリッシュを売りとしたNECのMEDIAS、シャープは以前から多くの端末を展開しているが、その展開規模の強化液晶テレビなどでブランドができあがっているAQUOSブランドで端末展開を行なう。

しかし、どれもこれもiPhoneのブームには対抗できず、まさに返り討ちと行った表現が正しい状況だ。
どうにもならないiPhone、しかし機種が増えていくことで単一機種のiPhoneよりも複数端末にて展開をするAndroidの方が市場シェアとしては高まって来たのも事実だった。

一対多の構図

iPhoneで採用されていたiOS4は3GSおよびiPhone4でのみ利用されている。
タブレット端末のiPadや音楽プレイヤーiPod touchもあるが携帯電話とは異なるためここでは除外する。
そうしてみたときに、売り上げはいまいちであっても塵も積もれば山となる。
OSとしてはAndroidが逆転する様になった。
しかし、これは当たり前のことでありそんなに騒ぐほどのことでもなかったのではないかと感じていたが、何故かiPhoneが負けつつあるというニュースなどが飛び交うようになる。
auもiPhone4を揶揄するCMを行なうし、docomoはXperiaとGalaxyの二大端末が有能であると広告を打つ。
iPhoneは四面楚歌であったが、そんな事は歯牙にもかけず順調にシェアを伸ばしている。

xperia_acro
ガラスマの代表格
Xperia acro

docomoとauは半国産メーカーであるソニー・エリクソン製Xperiaを日本向けにカスタマイズしたXperia acroをリリース。
日本のニーズに合ったスマートフォンとしてヒットを飛ばす。
実際に購入したユーザーからの評価はここではあえて言わないが、とりあえず対iPhoneへの橋がかりをつくった。
2011年8月の話であった。

長いものに巻かれたau、LTEで巻き返しをはかるdocomo

2011年9月、日経新聞がauからiPhone5がリリースされるという記事をだす。
秘密主義で有名なアップルはノーコメントとし、auも否定していた。
だが、Android auの終了などでその噂は事実化しつつあり、ついにiPhone4Sはauからもリリースされた。
唯一異なっていたのは、iPhone5で無かったことか。
auはiPhoneにかなわないならば、取り込んでしまえばいい。とあっさり白旗を揚げた格好だ。
もっとも、Windows phone7.5の端末も出していることから単にAndroid一辺倒では選択肢がないと思ったのかもしれない。
とにかく、今度はiPhone同士での戦いが始まっていくこととなる。
docomoは一人置いてけぼりだが、LTEという次世代通信を本格始動させることで端末だけではなく速度面のメリットなどを前面に出すようになって行く。
端末の魅力は当然ではあるが、そもそも通信をしっかりできるようにならないと意味が無い。いくら魅力のある端末でも、圏外だったりパケット詰まりしてしまうのではただの文鎮に過ぎない。

現時点で最強のガラスマ ARROWS

今年最後を飾る機種として、ほぼ全部入りのガラスマARROWS X(Z)が挙げられる。

arrowsz
現時点で最高スペックのガラスマ
ARROWS X LTE
ARROWS Z

この機種は、ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信、キャリアメール、防水、防塵、LTEもしくはWiMAX、テザリング、Bluetooth2.1、約1310万画素カメラなど現行で考えられるほぼすべてのガラケー機能を搭載している。
これだけ色々ついた機種も珍しいだろう。
それでいて極端に大きくもない。
まさにガラスマの決定版と言えるだろう。
スマートフォン元年最後を飾るにふさわしい機種、スペックに関してもいろんな意味での話題作りに関しても。
すでに品薄状態で、量販店などでも予約受付停止という所も少なくない。
潤沢に品物が出てくる頃にはまた別の売れ筋商品が出てきているかもしれない。
機会損失は実に残念だ。

こうしてみると…

今年は個性あふれる機種が日本に入ってきて、ユーザー層が一気に広がっていった感じがある。
しかし、まだ始まったばかりだ。
ガラケー、従来型フィーチャーフォンを持つユーザーはまだまだ多く、2012年以降はさらに激化した戦いが繰り広げられるだろう。
LTEの本格化、WiMAX2の商用サービスの行方、auのLTE展開、SoftBankの次の一手、誕生すると思われるiPhone5など、2011年以上に話題にあふれることだろう。
反面、WebOSのオープンソースによる実質的撤退、Symbianの衰退、BlackBerryの身売り問題と華やかな話題の陰で負け組になって行った企業がある。

palm
名PDA
Palm

<br />特にWebOSとSymbianはおおもとを辿ると同じPalmという昔の名PDAに繋がるだけに、その血脈が消えるのは一抹の寂しさを感じる。     <br />このままAndroidとiOSの二極化が進むのか、PC界の巨人マイクロソフトがWindows phone7.5でシェアをどこまで奪えるのか、2012年もワクワクしながら見ていきたいと思う。

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