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カテゴリー: column

  • 定額通話が可能という夢の話、ケータイ詐欺JM-NET事件

    こんにちはtknriiiiです。
    2011年現在では相手が限定やキャリア限定で通話料が定額や無料となるサービスが存在しています。
    しかし、数年前までは通話料は各キャリアのドル箱となっており、通話料の定額や無料など考えられないものでした。
    通話料収入が減少し、データ通信…つまりパケット通信料を定額とすることでARPUを上げ、通話料は収入のメインから少しずつ外れていく様になり、通信が各社の主な収入源となって行った。
    auはスマートフォンにSkypeを搭載してIP電話として利用できるようにしてしまうなど、電話としての収入を半ば諦めている感もある。
    しかし、今から数年前、2002年頃はまだまだこういったサービスはなく、通話料は高止まりしていました。
    そんな時代に起こった一つの事件、今日は歴史に埋もれた詐欺事件JM-NET事件を追いかけてみたい。

    コロンブスの卵的発想

    JM-NETは休眠会社から復活し、通信業者として業務を開始した。
    「モブデム」というアダプターを付けることで、通話料が定額になるという。
    この明らかにセンスのない名称、アダプター一つで通話料が定額になるという怪しい話、最初からうさんくさい雰囲気が満載であった。
    この「モブデム」はアダプターとして付けることで、通話の信号を「タグ」に変換し、通信事業者の基地局をパケット通信として通過して相手側に届く。
    相手のケータイ端末で届いたパケットを通話信号に戻して通話が可能になる。いわば「コロンブスの卵的発想」であるとして、TVニュースになったこともあった。
    実現するのであれば、本当にコロンブスの卵で、夢のような話であった。
    もちろんこれは夢のまま終わるのだが…。

    ちょっと技術をわかっていれば…

    jmnet
    完成するはずだったモブデムのモック

    日本の携帯電話のシステムを少しでも、それこそネットに出ているニュース記事を把握できる程度の知識であっても、これは「ありえない」とすぐにわかるような内容だ。
    まず、「タグ」ってなに(笑)htmlでも書くのか?(笑)
    アダプターは充電などに使われる端子に付ける?そんなところにパケットを流す回路はついていませんけど。
    そもそも、通信業者の基地局を経由してどうやって無料にするの?パケット通信だって無料じゃないんだよ?
    (この事件の最中にauがパケット定額サービスEZフラットを開始する)
    もう、突っ込みどころが満載な物であった。
    そもそも回路上タグ?にできない。
    受け取り側のケータイ端末だってそれを復元する事ができない。
    何をどうやったらこんな事が可能なのか、いや単に不可能なことをそれらしく話しているに過ぎない物なのではないか。
    タグが新しい通信プロトコルならば、それをどういう制御を行ない、基地局を通してどうやって通話信号に復元するのか、全く説明もないまま話は進んでいったのだった。
    そう、逆転の発想コロンブスの卵はすでに中身が腐っていたのだ。

    TV報道で注目が集まる。

    この一件に関しては、ケータイ各社は全否定しあり得ないことだとすぐに話をしていた。
    しかし、通話単価が高いことを気にしているユーザーや代理店などはこの話に乗る者もおり、静かに話が進んでいった。
    TBSの「NEWS23」では、この件を取り上げ否定的な報道を行なっていた。
    否定的と言うよりも実現性に疑問を持つような感じだった。
    しかし、実現すれば他社より優位に立てると思っている代理店は予約金を入れたり、代理店契約を行なったりと先行投資をしてしまう。
    そういう話を聞いていて、私は思ったのが「自分たちが販売している製品を何故よく調べないのか」という至極普通の思いだった。
    技術的な細かいことまで調べなくてもあり得ないとわかるようなシステムだ。
    何故そこすら調べないでおかしな投資話に耳を傾けるのか。
    本当に不思議に思う。
    また、代理店には全く畑違いの業者もいた。のりで有名なナガイの子会社、東京ナガイがその中にはいた。
    全く畑違いの事に手を出すのは良いが、少しは調べろ。と言いたくなる。
    しかしこの手の報道は善し悪しだと思っている。疑問を投げかける反面こういうものがあるという宣伝にも使われてしまうことになるのだから。

    そして、裏で動き財をなす者が居る

    そもそも技術的に不可能なモブデム、何故いきなりこのような事を始めたのか。
    そこには一つの動きがあった。
    JM-NETの親会社として、これまた全く畑違いの大盛工業という土木建築会社があった。
    不況にあえぎ売り上げも低迷しているこの大盛工業、親会社であるとなったとたんに株価は大暴騰。
    あっという間に数倍の値段にまで上がっていった。
    と、ここまで話せばわかってもらえるかもしれない。
    今回の事件、その大本はこの株価の暴騰にあった。つまりあり得ないような事であっても風説の流布によって財を得られればそれで良い。
    そういう人間が居たと言うことになる。
    通常、こういう詐欺事件は予約金や代理店契約の金をかすめ取って、トンズラするのが多いのだが、今回は株の売り抜けが目的なのだ。
    単にITを絡めただけのつまらない事件であった。
    そう、目的は風説の流布による株価操作に過ぎなかったのだ。

    腐った卵をつかまされたもの達

    2003年8月、誕生したモブデムは定額通話ができるようなものではなかった。
    格安の国際通話を利用したコールバックアダプター、つまり国内の携帯電話同士の通話よりも安く設定されている国際電話回線を利用することで通話料を安くすると言うだけのものだった。
    どうあがいても定額通話はできない、そもそもIP電話や「タグ」はどこへ行ったのだ。
    すべては机上に書いた空論なのであった。
    予約金を入れていた代理店はこの「モブデム」を渡されるが、初期のモブデムはすぐに通話不可能となる。
    このコールバックアダプターさえも自社開発品ではなく、他社の製品のシールを貼替えただけというお粗末なものであった。
    そして、発売元のアペルロムという会社から、該当のアダプターからの発信を止められてしまい何もできなくなってしまった。

    appel
    アペルロム、充電端子に刺すコールバックアダプター

    急遽別の会社から同様のものを調達したが、結果は同じ。定額とすることは絶対にできないものである。
    結局夢は夢のままで終わったのだ。
    この事件で、予約金や代理店契約をした所は定額が嘘であることから違約金や購入者への対応に追われ、廃業するものやそもそも端末が来なかったユーザーもいたのだった。
    大きな被害を出したJM-NET事件、その首謀者は逮捕され罰金などで15億円(稼いだ金のほぼすべて)を没収され、JM-NETは夜逃げ同然に事業を廃止した。

    まだ携帯電話やネットというものがブラックボックスの様に見えていた時代の悲しい事件、しかし、今後もこういった事件が出てくる可能性がある。
    うまい話には裏がある、裏を知るためには自分で知識を身につける必要がある。
    そこを忘れないようにしてほしい。

  • 知名度を上げたAndroid auをなぜ捨てた。

    こんにちは、tknriiiiです。
    私は10年来のauユーザーです。
    私が契約した時はちょうどCDMAとなって安定し始めた頃でした。
    そんなauもスマートフォンで出遅れ、大キャンペーンを打っていました。
    Android auと銘打ってau=Androidと勘違いさせるほどの勢いでした。
    しかし、2011年9月末で突然この言葉を使わなくなってしまいました。
    Android auとは何だったのでしょうか。
    今回はauの迷走っぷりを見ていきたい。

    Android au以前は

    ここ数年のスマートフォンブーム、そしてiPhoneブームはあったがそれ以前にも各社は独自のスマートフォンを展開していた。

    brackberry
    NTTドコモが発売した
    BlackBerry 8707h

    is01-2
    au最初のスマートフォン(スマートブック)
    IS01 Android1.6搭載
    IS02_Open
    IS01より先に登場した2機種目
    IS02 Windows Phone6.5.3搭載

    docomoはblackberry搭載機種などをビジネス向けモデルとしてdocomo PROシリーズを出し、ソフトバンクは一足先に2008年からiPhone3、2009年にはiPhone3GSを発売。ブームに乗って多くのユーザーを獲得していった。
    auはそれまでスマートフォン市場はほとんど目を向けておらず、ビジネス向けにwindows Phoneを1機種出すにとどまっていた。
    iPhone3以降、急速にスマートフォンへ興味が移っていくとdocomoは2010年4月にXperiaを発売し、ビジネス向けではなく個人向けのスマートフォンへ本格的な参入を果たす。
    出遅れたauは2010年6月末にIS01と02を発売。
    IS01はシャープが開発を行なったハンドヘルドPCタイプで電話として向かない、Android1.6を搭載し、日本独自の機能はワンセグのみを搭載している。
    IS02は東芝が開発、windows Phone6.5.3を搭載したスライド式のキーボードを持つモデルで、こちらはキャリアメール、つまりezwebのメールも利用できない機種であった。
    どちらの機種もdocomoに同じ端末が供給されており、通信方式以外は変わらないのだが、docomo版もau版もほとんど売れなかった。
    ガラケーと言われる日本独自のサービス満載のケータイから乗り換えるだけの価値がない、この頃の国産メーカーのスマートフォンは迷走していた様にみえる。

    大キャンペーン、IS03

    2010年秋モデルとしてiPhone4がデビュー、解像度からCPUから明らかにアップグレードされた機種に人気は殺到。
    iPhoneブームにさらに拍車が掛かるとdocomoはSamsungのGalaxy、シャープのLYNX、7インチタブレットのGalaxy tabなどを発売。
    iPhoneのみ売れる状況に待ったを掛けに行く。
    取り残される形になったauは、iPhoneにはないガラケー機能を満載したスマートフォン、最近ではガラスマ(ガラパゴススマートフォン)と言われる日本向けのスマートフォンを1機種何とか発売へこぎ着けた。
    iPhoneには勝てなくても少なくともユーザーの流出を抑える事ができるであろうという戦略だったのかもしれない。
    そして、ガラケー機能を搭載したことを前面に押し出し、おサイフケータイが無いiPhone、Flashが動かないiPhoneと蹴落とすようなCM展開も行なっていった。
    そして、docomoでもSoftBankでも出しているAndroidケータイをあたかも自社だけであるかの様に大々的にキャンペーンを行なった。
    未来へ行くならアンドロイドを持て「Android au」
    その第1弾として展開したのがIS03というわけだ。
    事前予約も上々、発売日に手に入らないユーザーも現れるほどの大盛況ぶりだった。
    情報に疎いユーザーは「auがiPhone対抗にAndroidというのを作った」と勘違いする事もあるほどだった。

    ガラケー機能を搭載する「無茶な行為」

    IS03はシャープ製、シャープと言えば以前からスマートフォンを発売していた。
    ウィルコムから発売されていたW-ZERO3、Windows Mobile5を搭載した初期のスマートフォンを発売し、後継機種、Advance ES(通称アドエス)なども評価は高かった。
    W-ZERO3のためにウィルコムを買う人も居たくらいだ。

    wzero3
    シャープ製ウィルコムの
    スマートフォン
    W-ZERO3

    あの当時、PDAの市場が崩壊してPDAを求めるもの、ガジェット好きがW-ZERO3を求めたものだ。
    シャープは市場をある程度わかっているが、無茶なことをして残念な結果になることも少なくない。
    このIS03はワンセグ、おサイフケータイを含めauが行なっていたサービスにほとんど対応している。
    防水機能とWIN HIGH SPEED(最大9.3Mbps通信が可能)に対応していないだけと言える。
    かなりハイスペックなものではあるが、残念な事にその分バッテリーなどが犠牲になっている。
    システムトラブルも多く、良くも悪くもシャープの端末らしいものに仕上がっている。
    Android auを代表する端末となっており、様々な機種が出た現在でも一定のシェアを持っている。
    このIS03以降はガラスマが一般的となり、ほとんどの機種がガラスマとなってしまっている。
    やはり、スマートフォンになっても日本独自のサービスは捨てられないという所か。

    唐突に終了したAndroid au

    キャンペーンの終了として9月末で特設サイトを突然閉鎖し、Android auの文字は端末の起動画面程度で表面上出てくることがなくなった。
    そして、登場したのがWindows phone7.5そしてiPhone4Sだった。
    Android以外のOSを出すことでau=Androidの図式が邪魔になったのだろう。
    また、キャンペーンのなかでiPhoneを貶める様なCMを展開していたのもiPhoneを呼ぶためには邪魔だったのだろう。
    かくしてAndroid auは終わった。
    その突然の終了に一部ユーザーからは「やっぱりiPhoneが出るんだ」と噂され、その噂は現実となった。
    それにしても余りにも突然の終了に何が起きたのかとネタにする人も多かっただろう。

    節操のないauの誤った「ウォーズマン理論」

    docomoはAndroidメインに端末のブランドを売りにしている。
    GalaxyやXperiaと言ったグローバルモデルを出し、Xperiaに至っては日本向けにカスタマイズしたモデルまで出している。
    SoftBankはAndroid機種も出しているが、iPhoneが余りにも前面に出てきており料金プランなども優遇されているiPhone以外のユーザー獲得はほとんど行なわれていない。
    どちらも自社の特徴を出そうとしているが、auだけAndroidメインだったがiPhoneに移りました。
    さらに世界初のWindows phone7.5も出しました。と節操がない。
    選択肢を増やすことでユーザーを獲得しようとするのはわかるが、その一つ一つがややおざなりな機種になりつつあるのが残念でならない。
    auは他社より多い三つのOSを端末に用意し、グループ会社であるUQ-WiMAXの回線を格安で使えるようにし、Wi-Fi設備を急ピッチに整備している。
    三つのOSが使える端末を持ってシェア3倍、WiMAXと3G、Wi-Fiも使えるから3倍の3倍で9倍だ、というウォーズマン理論でも考えているのだろうか。
    さらに、LTEを新800MHz帯(後述)で展開する予定のためau一社でCDMA EVO-DO、WiMAX、LTE、さらにはWi-Fiスポットと多数の通信方式を持つことになる。
    手を広げすぎているというよりは迷走している感じが否めない。

    実は背水の陣で挑んでいるのかもしれない

    auは、2012年7月に周波数再編のため、一部の周波数帯を返却、変更しなくてはいけない。
    一般的には旧800MHz帯と新800MHz帯と言われており、利用できなくなる端末が発生する。
    docomoも800MHz帯を利用しているが、こちらは主に第二世代携帯電話、movaで利用していたため、auほどの対処は必要が無い。
    movaは2012年3月31日で停波が決まっており、切り替えを行なう必要も無い。
    新800MHz帯にすべて切り替われば、CDMA-EVOのグローバルモデルが利用可能となり、Verizonで使われるグローバルモデルを輸入販売することもできる。
    現在もHTC EVOや3D、MOTOROLA PHOTONなど一部モデルを展開しているが旧800MHz帯に対応していないため、電波が不安定な場所がまだまだ多い。
    以前auは大手携帯通信では「純減」を経験している。
    それも携帯電話が爆発的に普及をしているときの話だ。
    今、電波事情が多少悪いからと行ってそうはならないだろうが、少しでも不便だとMNPを使って他社に簡単に移動できるのが今のケータイ事情、手を広げすぎて収拾がつかない、簡単にユーザーを切り捨てないようにがんばってほしい。
    通信の品質低下は致命的なのだから。

  • スマートフォン人気だからこそ、忘れてはいけないモルフィー事件

    今の日本はフィーチャーフォン、よくいうガラケーからスマートフォンへと急速に切り替えが進んでいる。
    スマートフォンが出る前にはPDAと言われる電話や通信機能のない情報機器がたくさん存在していた。
    その中でも名機と言われたHP-200LX。
    今回はHP-200LXを目指したのか単なる詐欺師だったのか、モルフィー事件を取り上げてみたいと思う。

    PDAやハンドヘルドPC

    かつてはPDAやハンドヘルドPCといった情報機器があった。
    住所録やメモ、ToDoなど個人情報を管理するソフトウェアが搭載された早い話、電子手帳の進化した製品だ。
    手書き入力やキーボードを利用できるものもあり、今のスマートフォンの原点となるガジェット達だった。
    その中でも、HP-200LXは小さいキーボードを搭載し、住所録や表計算ソフトの大ヒット製品Lotus1-2-3などをプリインストールしたもので、ハンドヘルドPCに分類されるものだった。
    CPUにはIntel8086に周辺ICを統合してワンチップ化した80c186を使用し、クロック数も8086より少し高速で同クロックでも1.3倍ほど高速。
    MS-DOSVer5を搭載して単三乾電池2本で最大20時間駆動する、MS-DOS専用の小型PCであった。
    DOS専用の小型PCとして絶賛され、多くのヘビーユーザーを取り込み、日本語化やバックライト搭載の改造にクロックアップなど改造を施すユーザーが数多くあり、ニフティーサーブでも専用のフォーラムが設けられるほどであった。
    HP-200LXは1999年に販売終了となるが、販売終了を悲しむユーザーによって予備機を買いますユーザーや生産継続を訴える署名活動が行なわれたことでも有名だ。
    ほかにもこの頃はwindowsCEがリリースされ、ハンドヘルドPCやPDAの全盛時代と言える頃でもあった。

    名機を引き継ぐものとして

    PDA市場はPalm、ハンドヘルドPCはwindowsCEがメインストリームとなりHP-200LXのようなMS-DOSの資産が使えるようなものは存在していなかった。
    そんな中、ニフティーサーブのフォーラムで後継機種となるものを自力開発して仕様をオープンとすることで、長く使えるものとしようと考えた男が居た。
    ハンドルネームとよぞう、佐川豊秋であった。
    とよぞうは、回路は簡単だった、いけると豪語して開発を発表。
    この開発はMorphyOneと名付けられた。
    このときHP-200LXのユーザーが求めていたのは高機能化でもなく、カラー化でもなく、ましてやwindowsCEが動く機種でもない。
    あくまでもHP-200LXの正当な後継機種、簡単にいってしまえば「高速なHP-200LX」を欲していただけなのだ。
    そして、同人ハードと言えるMorphyOneは「法人化」された組織で開発されることとなる。
    前述の通り、オープンハードとするために様々な問題(主に著作権関連)をクリアするためにも必要な事とされ、合資会社モルフィー企画は多くのHP-200LX後継機種を求めるユーザーからの出資によって設立された。
    当初、1口5万円で出資を募っていた。あくまでも出資でありこの金は戻らない可能性もあるし、実際にMorphyOneが誕生したとしてもその購入資金とは全く別のものとして扱われた。
    そして、出資は集まり約600万円にもなっていった。
    恐らくこのときが一番輝いていた頃だったのだろう。その後に訪れる悲惨な結末を考えるものはあまり居なかった。

  • ネットブック、一世風靡したネットブックはどこへ消えていったのか~その3~

     

    ネットブック第三回、今回でこのお話は最終回になります。
    ネットブック、とてもいい発想でしたね。

    ネットブック以上のスペックを持ったCULVノート

    ネットブックはAtomを搭載しているが、あくまでもスペックはPentium4-Mとほぼ同じ性能、現在発売されているノートPCとはパフォーマンスの差が歴然としている。
    Atomより上のスペックを求める人々は多く、低価格モバイルのAtomと高価格モバイルノートの間に入る製品が発表されるのは時間の問題であった。
    2009年、IntelはCULVと言われる超低電圧版CPUのシリーズにCore2DuoベースのCeleronを追加した。
    元々この分野のCPUはあったが、ラインナップの強化とともに価格とCPUスペックで割に合わないと思わせるものをリリースした。
    CeleronブランドでありCULVの中でも一番下位にあったCeleron SU2300、このCPUの登場がネットブックを脅かすものになるものとなってしまった。
    それまでもCore2Duo SU9600など、CULVと言われるローボルテージCPUは出ていたが、単価が高く本体価格の高止まりとなっていた。
    それに比べてCeleronというPentium2時代から続く廉価版CPUの名前の通り、低価格での販売を想定しているのがSU2300であった。
    Celeronブランドでありながらデュアルコアで仮想化技術IntelVTも搭載、クロックこそAtomよりやや低い1.2GHzであったが、元々の設計が異なるため十分なパフォーマンスを持っている。

     

    ネットブックと同等の59800円

    Acerが発売を開始したAspireブランドのノートPCにAS1410という機種が加わった。


    CULVノートの急先鋒AS1410、破格の設定に驚きの声があったほどだ。

    Celeron SU2300を搭載し、HDMIやギガビットイーサ、USBも3ポートありSDカードスロットなども搭載するという申し分ない仕様であり、価格も59800円と一部のネットブックとほぼ同価格で販売されており安くて使えるノートPCとしてネットブック以来の衝撃を持って迎えられた。
    バッテリーが6~7時間持ち、さらに価格も6万円を切り、さらにネットブックで主流だったAtomN270比で約3倍~4倍のパフォーマンスを持つので、ネットブックの出番はなくなっていった。
    OSもwindows7を搭載できるスペックを持ち合わせており、それによって画面の解像度も上げることが可能となる。
    ネットブックの一ランク上のスペックを持つ機種だが価格が同程度、これらはユーザーからの支持を受けて一時期は品切れ状態が長く続くこともあった。
    さらに値引き販売も当然行なわれ、49800円や54800円といった下手な国産ネットブック以下の価格で販売されるようになる。最安値の時には4万円を切ることもあった。

    こんな値段で出されては…

    ネットブックが流行ったのはあくまでも低価格でそこそこのスペック、バッテリーも実用レベルに持つと言うのが売りだった。

    しかし、同等かもしくは安い価格帯でスペックが高く本体重量がやや増えるが、ほぼ全てにおいて良くなってしまってはネットブックの存在意義そのものがなくなってしまう。
    Acerは何を考えているのだろうか、自社のネットブックブランドをつぶしかねない事をしているのだ。
    しかし、ユーザーにとってはこんなにうれしいことはない。
    この機種以降、ネットブックが持っていた、持つはずだった市場は本当に小数の人々が支持するだけになってしまった。
    CULVがAtomを駆逐したのだ。

    ネットブックがもたらしたもの

    ネットブックの成功によって、低価格ならばモバイルPCを欲しがるユーザーが多くいることがわかった。
    CULV低価格ノートへの道が作られ、無駄にハイスペックである必要がないユーザー層の掘り起こしに成功した。
    ネットブックが再び脚光を浴びることはないだろうが、モバイルユーザーを構築させた功績は忘れてはいけない。
    今はモバイルPCよりもタブレット、スマートフォンがもてはやされているがやはりPCではないとできないこともまだまだ多いのだから。

  • Puppeteer.me的今年一年を振り返って…

    こんにちは、pupeteer.meのtknriiiiです。

    今年も残すところわずか、皆さんはどの様な一年でしたか?
    さまざまな情報やコラムをお届けするこのpuppeteer.meも開始から約半年が過ぎました。
    そんなpuppeteer.meのメンバーの今年の重大ニュースを挙げてみます。

    まずはTaichiから

    Taichi「月並みだが、【なでしこジャパン】かな。」
    なるほど、女子サッカーと少しマイナーな分野ではありますが、ワールドカップ優勝という偉業を成し遂げた事ですから当然です。
    Taichi「個人的にはGoogle+の垢バン(アカウントBAN)事件が心に響いた。」
    Taichi「垢バンからfollower1400になったのも何だかな(笑)」
    Google+のアカウントBAN、つまりアカウントを凍結させられてしまった事件ですね。
    Google+は実名で利用することを大前提としており、ハンドルネーム等は認めていません。
    TaichiはGoogle+上では実名登録して利用していたにも関わらず、なぜか実名と認めてられずに垢バンを食らって身分証まで提出し、それでもなかなか認められなかったのはちょっとかわいそうでした。
    ただ、ネタとしてはありだなとも思っていましたけど。

    続いてF16000。

    F16000「Aerosmithを見た事、一番好きな【Home Tonight】を少しやってくれて泣いた」
    tknriiiiはあまり音楽は詳しくありませんが、Aerosmithの名前は知っています。
    貧乏ブルースギタリストらしいニュースですね。
    F16000「でも一番盛り上がりがすごかったのはアルマゲドンのテーマだったのが時代の差を感じた。」
    Home Tonightは1976年にリリースされており、アルマゲドンの公開が1998年、22年の時代の差があります。
    致し方ないのですが、古くから知る人には少々寂しいことですね。
    また、これは知り合いに聞いたのですが、古い楽曲については原盤権などの問題でライブでも余り演奏はされないそうで、少しやったのが限界のことなのだそうです。
    F16000「人生で初めて一人でBARに行ったのも私的だが大きいニュースだ。」
    F16000「きっかけを作ってくれたTaichiに感謝。」
    一人でBARに行くのはなかなか最初は勇気が必要です。
    お店によってはマナーにうるさかったり、あからさまに一見と常連を差別したり、中々難しい問題があります。
    うまく馴染めたのはF16000の人柄もあるかも知れませんね。
    F16000「あと、AKB48の楽曲が王道のアイドルのようで驚いた事やMacを使わなくなり、windowsパソコンを買ったのも自分の中で大きなニュース。」
    F16000にとっては今年は良いターニングポイントがあったようです。

    nora_layは一言で今年を表せば

    「嘘つきは東電の始まり」

    あっさりと、それでいて的確な言葉です。
    今年の新語大賞はこれがよかったのでは?(笑)

    nobu_bobuは

    nobu_bobu「ニッポン放送で物まね芸人のビトタケシ、バーモント秀樹に会ったこと、逗子スキューバダイビングセンターが無くなったこと。久しぶりに泡美の加藤さんに会った事。」
    物まね芸人の方は実は私はよく知りません。
    テレビをほとんど見ないので、物まねはコロッケや清水アキラなんかで止まっています。逗子スキューバダイビングセンターというのがあったのは知りませんでした。
    逗子、葉山の海は相模湾側で東京湾側よりも少しきれいな気がします。
    無くなったのは残念です、近くでスキューバダイビングができると言うのはいいことだったのですけど…。

    ruuku123は量販店に勤めているのですが、担当はカメラです。

    ruuku123「富士フイルムのX100ってカメラに一目惚れして買ったことが一番のニュース」と言うことです。
    このX100というカメラ、12万位します。しかも単焦点で明るいレンズでAPSサイズの撮影素子を持っているちょっと贅沢なカメラ。
    しかも、見た目がレトロ風の味わい深い造形をしています。
    見た目にそそられるのもわかりますし実は性能もかなりのものでもあります。

    nakaji333は地震以外に何も考えられない。

    衝撃的でしたからね。意外と西の人は冷静に見ているようですが(阪神淡路の時に関東の人がそうだったように)、地震から派生した原発問題で日本中で色々あるので、まだまだ目が離せない状況です。

    最後に

    今年は東日本大震災が一番のニュースでしょう。
    地震に関しては皆があげていましたので、あえて省きました。
    被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げます。

    Puppeteer.meのメンバーも首都圏に在住しているため直接的ではありませんが被害を受けました。
    ほぼ全員が帰宅難民、徒歩で帰るのが基本だった。
    といっても、あのとき東京近郊に居た人はほぼみんなその状態、帰ることができない人も多くいた。

    taichiは高層ビルで地震に遭い、倒れそうな液晶を冷静に押さえつつ、周りに倒れないように押さえててと指示を出す男っぷり。
    連絡を取るために19階建てビルを一往復半し、帰りは新宿から田町まで徒歩、しかしまっすぐ帰らずにBARに行った強者です。
    ただその後で、ヘルメット女子萌えとTwitterに流してサイテー扱いされていましたが(笑)

    ruuku123は職場の8階売り場に居て地震に遭遇。
    建物が余り古くない所なので、倒壊するかと思ったほどと言うことです。
    そのビルは戦後間もない1957年に開店した所なので、その心配も仕方が無い。

    F16000も青山から中野まで徒歩で帰宅、それよりも募金をする程度でたいしたことをしていない自分にふがいなさを感じているようです。
    しかし、小さな事からこつこつと、塵も積もれば山となる。
    自分のできる範囲のこと行なうだけでも十分なのではないでしょうか。

    皆が少なからず被害を受けた東日本大震災、もちろん現地の被害に比べれば小さいものではありますが。

    最後に私的なことですが、tknriiiiは今年は色々ありました。
    地震発生時は仕事中で、その日は帰ることができずに飲み放題の店で朝まで飲み明かし、(新橋から横須賀はどう考えても無謀な距離なので)翌日も泉岳寺から品川まで1駅歩き、さらに翌日は動かないJR線にふてくされた京急が夜の運行をやめるとちゃぶ台返しをしたせいで金沢文庫から久里浜まで歩く事に…。
    仕事が完全にストップし、その後残務処理で大混乱だった春でした。
    秋には、このサイトで記事にしましたが、レーシックを受けました。
    もう2ヶ月たちますがまだしっくり来ません。
    眼鏡がないにも関わらず、朝顔を洗うときに眼鏡を外す仕草をしたり目が疲れたときに眼鏡をあげる仕草をしたりして、それを見られてイヤンな感じになることもあります。

    そして、ここPuppeteer.meが誕生したのも重大なニュースです。
    今後も新しい話題、古い話題、一つの分野にこだわらずにがんばっていきたいと思いますので、皆様の暖かいご声援をよろしくお願いいたします。
    それでは皆様、良いお年をお迎えください。
    (サイトの更新は年末まで続けますよ!)