PC好き、ガジェット好き、平凡な日常大好き

月: 2011年12月

  • 定額通話が可能という夢の話、ケータイ詐欺JM-NET事件

    こんにちはtknriiiiです。
    2011年現在では相手が限定やキャリア限定で通話料が定額や無料となるサービスが存在しています。
    しかし、数年前までは通話料は各キャリアのドル箱となっており、通話料の定額や無料など考えられないものでした。
    通話料収入が減少し、データ通信…つまりパケット通信料を定額とすることでARPUを上げ、通話料は収入のメインから少しずつ外れていく様になり、通信が各社の主な収入源となって行った。
    auはスマートフォンにSkypeを搭載してIP電話として利用できるようにしてしまうなど、電話としての収入を半ば諦めている感もある。
    しかし、今から数年前、2002年頃はまだまだこういったサービスはなく、通話料は高止まりしていました。
    そんな時代に起こった一つの事件、今日は歴史に埋もれた詐欺事件JM-NET事件を追いかけてみたい。

    コロンブスの卵的発想

    JM-NETは休眠会社から復活し、通信業者として業務を開始した。
    「モブデム」というアダプターを付けることで、通話料が定額になるという。
    この明らかにセンスのない名称、アダプター一つで通話料が定額になるという怪しい話、最初からうさんくさい雰囲気が満載であった。
    この「モブデム」はアダプターとして付けることで、通話の信号を「タグ」に変換し、通信事業者の基地局をパケット通信として通過して相手側に届く。
    相手のケータイ端末で届いたパケットを通話信号に戻して通話が可能になる。いわば「コロンブスの卵的発想」であるとして、TVニュースになったこともあった。
    実現するのであれば、本当にコロンブスの卵で、夢のような話であった。
    もちろんこれは夢のまま終わるのだが…。

    ちょっと技術をわかっていれば…

    jmnet
    完成するはずだったモブデムのモック

    日本の携帯電話のシステムを少しでも、それこそネットに出ているニュース記事を把握できる程度の知識であっても、これは「ありえない」とすぐにわかるような内容だ。
    まず、「タグ」ってなに(笑)htmlでも書くのか?(笑)
    アダプターは充電などに使われる端子に付ける?そんなところにパケットを流す回路はついていませんけど。
    そもそも、通信業者の基地局を経由してどうやって無料にするの?パケット通信だって無料じゃないんだよ?
    (この事件の最中にauがパケット定額サービスEZフラットを開始する)
    もう、突っ込みどころが満載な物であった。
    そもそも回路上タグ?にできない。
    受け取り側のケータイ端末だってそれを復元する事ができない。
    何をどうやったらこんな事が可能なのか、いや単に不可能なことをそれらしく話しているに過ぎない物なのではないか。
    タグが新しい通信プロトコルならば、それをどういう制御を行ない、基地局を通してどうやって通話信号に復元するのか、全く説明もないまま話は進んでいったのだった。
    そう、逆転の発想コロンブスの卵はすでに中身が腐っていたのだ。

    TV報道で注目が集まる。

    この一件に関しては、ケータイ各社は全否定しあり得ないことだとすぐに話をしていた。
    しかし、通話単価が高いことを気にしているユーザーや代理店などはこの話に乗る者もおり、静かに話が進んでいった。
    TBSの「NEWS23」では、この件を取り上げ否定的な報道を行なっていた。
    否定的と言うよりも実現性に疑問を持つような感じだった。
    しかし、実現すれば他社より優位に立てると思っている代理店は予約金を入れたり、代理店契約を行なったりと先行投資をしてしまう。
    そういう話を聞いていて、私は思ったのが「自分たちが販売している製品を何故よく調べないのか」という至極普通の思いだった。
    技術的な細かいことまで調べなくてもあり得ないとわかるようなシステムだ。
    何故そこすら調べないでおかしな投資話に耳を傾けるのか。
    本当に不思議に思う。
    また、代理店には全く畑違いの業者もいた。のりで有名なナガイの子会社、東京ナガイがその中にはいた。
    全く畑違いの事に手を出すのは良いが、少しは調べろ。と言いたくなる。
    しかしこの手の報道は善し悪しだと思っている。疑問を投げかける反面こういうものがあるという宣伝にも使われてしまうことになるのだから。

    そして、裏で動き財をなす者が居る

    そもそも技術的に不可能なモブデム、何故いきなりこのような事を始めたのか。
    そこには一つの動きがあった。
    JM-NETの親会社として、これまた全く畑違いの大盛工業という土木建築会社があった。
    不況にあえぎ売り上げも低迷しているこの大盛工業、親会社であるとなったとたんに株価は大暴騰。
    あっという間に数倍の値段にまで上がっていった。
    と、ここまで話せばわかってもらえるかもしれない。
    今回の事件、その大本はこの株価の暴騰にあった。つまりあり得ないような事であっても風説の流布によって財を得られればそれで良い。
    そういう人間が居たと言うことになる。
    通常、こういう詐欺事件は予約金や代理店契約の金をかすめ取って、トンズラするのが多いのだが、今回は株の売り抜けが目的なのだ。
    単にITを絡めただけのつまらない事件であった。
    そう、目的は風説の流布による株価操作に過ぎなかったのだ。

    腐った卵をつかまされたもの達

    2003年8月、誕生したモブデムは定額通話ができるようなものではなかった。
    格安の国際通話を利用したコールバックアダプター、つまり国内の携帯電話同士の通話よりも安く設定されている国際電話回線を利用することで通話料を安くすると言うだけのものだった。
    どうあがいても定額通話はできない、そもそもIP電話や「タグ」はどこへ行ったのだ。
    すべては机上に書いた空論なのであった。
    予約金を入れていた代理店はこの「モブデム」を渡されるが、初期のモブデムはすぐに通話不可能となる。
    このコールバックアダプターさえも自社開発品ではなく、他社の製品のシールを貼替えただけというお粗末なものであった。
    そして、発売元のアペルロムという会社から、該当のアダプターからの発信を止められてしまい何もできなくなってしまった。

    appel
    アペルロム、充電端子に刺すコールバックアダプター

    急遽別の会社から同様のものを調達したが、結果は同じ。定額とすることは絶対にできないものである。
    結局夢は夢のままで終わったのだ。
    この事件で、予約金や代理店契約をした所は定額が嘘であることから違約金や購入者への対応に追われ、廃業するものやそもそも端末が来なかったユーザーもいたのだった。
    大きな被害を出したJM-NET事件、その首謀者は逮捕され罰金などで15億円(稼いだ金のほぼすべて)を没収され、JM-NETは夜逃げ同然に事業を廃止した。

    まだ携帯電話やネットというものがブラックボックスの様に見えていた時代の悲しい事件、しかし、今後もこういった事件が出てくる可能性がある。
    うまい話には裏がある、裏を知るためには自分で知識を身につける必要がある。
    そこを忘れないようにしてほしい。

  • tknriiiiの気になった記事 2011-12-28

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  • tknriiiiの気になった記事 2011-12-27

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    • [ 13:11 ] [Androidアプリレビュー]フリック入力できなくても大丈夫! 手書き入力はもはやスマホの定番!『7notes with mazec』(動画あり) #TABROID : ライフハッカー[日本版]… http://t.co/7bWJ6Gu6 #tknriiiiNews #

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  • 知名度を上げたAndroid auをなぜ捨てた。

    こんにちは、tknriiiiです。
    私は10年来のauユーザーです。
    私が契約した時はちょうどCDMAとなって安定し始めた頃でした。
    そんなauもスマートフォンで出遅れ、大キャンペーンを打っていました。
    Android auと銘打ってau=Androidと勘違いさせるほどの勢いでした。
    しかし、2011年9月末で突然この言葉を使わなくなってしまいました。
    Android auとは何だったのでしょうか。
    今回はauの迷走っぷりを見ていきたい。

    Android au以前は

    ここ数年のスマートフォンブーム、そしてiPhoneブームはあったがそれ以前にも各社は独自のスマートフォンを展開していた。

    brackberry
    NTTドコモが発売した
    BlackBerry 8707h

    is01-2
    au最初のスマートフォン(スマートブック)
    IS01 Android1.6搭載
    IS02_Open
    IS01より先に登場した2機種目
    IS02 Windows Phone6.5.3搭載

    docomoはblackberry搭載機種などをビジネス向けモデルとしてdocomo PROシリーズを出し、ソフトバンクは一足先に2008年からiPhone3、2009年にはiPhone3GSを発売。ブームに乗って多くのユーザーを獲得していった。
    auはそれまでスマートフォン市場はほとんど目を向けておらず、ビジネス向けにwindows Phoneを1機種出すにとどまっていた。
    iPhone3以降、急速にスマートフォンへ興味が移っていくとdocomoは2010年4月にXperiaを発売し、ビジネス向けではなく個人向けのスマートフォンへ本格的な参入を果たす。
    出遅れたauは2010年6月末にIS01と02を発売。
    IS01はシャープが開発を行なったハンドヘルドPCタイプで電話として向かない、Android1.6を搭載し、日本独自の機能はワンセグのみを搭載している。
    IS02は東芝が開発、windows Phone6.5.3を搭載したスライド式のキーボードを持つモデルで、こちらはキャリアメール、つまりezwebのメールも利用できない機種であった。
    どちらの機種もdocomoに同じ端末が供給されており、通信方式以外は変わらないのだが、docomo版もau版もほとんど売れなかった。
    ガラケーと言われる日本独自のサービス満載のケータイから乗り換えるだけの価値がない、この頃の国産メーカーのスマートフォンは迷走していた様にみえる。

    大キャンペーン、IS03

    2010年秋モデルとしてiPhone4がデビュー、解像度からCPUから明らかにアップグレードされた機種に人気は殺到。
    iPhoneブームにさらに拍車が掛かるとdocomoはSamsungのGalaxy、シャープのLYNX、7インチタブレットのGalaxy tabなどを発売。
    iPhoneのみ売れる状況に待ったを掛けに行く。
    取り残される形になったauは、iPhoneにはないガラケー機能を満載したスマートフォン、最近ではガラスマ(ガラパゴススマートフォン)と言われる日本向けのスマートフォンを1機種何とか発売へこぎ着けた。
    iPhoneには勝てなくても少なくともユーザーの流出を抑える事ができるであろうという戦略だったのかもしれない。
    そして、ガラケー機能を搭載したことを前面に押し出し、おサイフケータイが無いiPhone、Flashが動かないiPhoneと蹴落とすようなCM展開も行なっていった。
    そして、docomoでもSoftBankでも出しているAndroidケータイをあたかも自社だけであるかの様に大々的にキャンペーンを行なった。
    未来へ行くならアンドロイドを持て「Android au」
    その第1弾として展開したのがIS03というわけだ。
    事前予約も上々、発売日に手に入らないユーザーも現れるほどの大盛況ぶりだった。
    情報に疎いユーザーは「auがiPhone対抗にAndroidというのを作った」と勘違いする事もあるほどだった。

    ガラケー機能を搭載する「無茶な行為」

    IS03はシャープ製、シャープと言えば以前からスマートフォンを発売していた。
    ウィルコムから発売されていたW-ZERO3、Windows Mobile5を搭載した初期のスマートフォンを発売し、後継機種、Advance ES(通称アドエス)なども評価は高かった。
    W-ZERO3のためにウィルコムを買う人も居たくらいだ。

    wzero3
    シャープ製ウィルコムの
    スマートフォン
    W-ZERO3

    あの当時、PDAの市場が崩壊してPDAを求めるもの、ガジェット好きがW-ZERO3を求めたものだ。
    シャープは市場をある程度わかっているが、無茶なことをして残念な結果になることも少なくない。
    このIS03はワンセグ、おサイフケータイを含めauが行なっていたサービスにほとんど対応している。
    防水機能とWIN HIGH SPEED(最大9.3Mbps通信が可能)に対応していないだけと言える。
    かなりハイスペックなものではあるが、残念な事にその分バッテリーなどが犠牲になっている。
    システムトラブルも多く、良くも悪くもシャープの端末らしいものに仕上がっている。
    Android auを代表する端末となっており、様々な機種が出た現在でも一定のシェアを持っている。
    このIS03以降はガラスマが一般的となり、ほとんどの機種がガラスマとなってしまっている。
    やはり、スマートフォンになっても日本独自のサービスは捨てられないという所か。

    唐突に終了したAndroid au

    キャンペーンの終了として9月末で特設サイトを突然閉鎖し、Android auの文字は端末の起動画面程度で表面上出てくることがなくなった。
    そして、登場したのがWindows phone7.5そしてiPhone4Sだった。
    Android以外のOSを出すことでau=Androidの図式が邪魔になったのだろう。
    また、キャンペーンのなかでiPhoneを貶める様なCMを展開していたのもiPhoneを呼ぶためには邪魔だったのだろう。
    かくしてAndroid auは終わった。
    その突然の終了に一部ユーザーからは「やっぱりiPhoneが出るんだ」と噂され、その噂は現実となった。
    それにしても余りにも突然の終了に何が起きたのかとネタにする人も多かっただろう。

    節操のないauの誤った「ウォーズマン理論」

    docomoはAndroidメインに端末のブランドを売りにしている。
    GalaxyやXperiaと言ったグローバルモデルを出し、Xperiaに至っては日本向けにカスタマイズしたモデルまで出している。
    SoftBankはAndroid機種も出しているが、iPhoneが余りにも前面に出てきており料金プランなども優遇されているiPhone以外のユーザー獲得はほとんど行なわれていない。
    どちらも自社の特徴を出そうとしているが、auだけAndroidメインだったがiPhoneに移りました。
    さらに世界初のWindows phone7.5も出しました。と節操がない。
    選択肢を増やすことでユーザーを獲得しようとするのはわかるが、その一つ一つがややおざなりな機種になりつつあるのが残念でならない。
    auは他社より多い三つのOSを端末に用意し、グループ会社であるUQ-WiMAXの回線を格安で使えるようにし、Wi-Fi設備を急ピッチに整備している。
    三つのOSが使える端末を持ってシェア3倍、WiMAXと3G、Wi-Fiも使えるから3倍の3倍で9倍だ、というウォーズマン理論でも考えているのだろうか。
    さらに、LTEを新800MHz帯(後述)で展開する予定のためau一社でCDMA EVO-DO、WiMAX、LTE、さらにはWi-Fiスポットと多数の通信方式を持つことになる。
    手を広げすぎているというよりは迷走している感じが否めない。

    実は背水の陣で挑んでいるのかもしれない

    auは、2012年7月に周波数再編のため、一部の周波数帯を返却、変更しなくてはいけない。
    一般的には旧800MHz帯と新800MHz帯と言われており、利用できなくなる端末が発生する。
    docomoも800MHz帯を利用しているが、こちらは主に第二世代携帯電話、movaで利用していたため、auほどの対処は必要が無い。
    movaは2012年3月31日で停波が決まっており、切り替えを行なう必要も無い。
    新800MHz帯にすべて切り替われば、CDMA-EVOのグローバルモデルが利用可能となり、Verizonで使われるグローバルモデルを輸入販売することもできる。
    現在もHTC EVOや3D、MOTOROLA PHOTONなど一部モデルを展開しているが旧800MHz帯に対応していないため、電波が不安定な場所がまだまだ多い。
    以前auは大手携帯通信では「純減」を経験している。
    それも携帯電話が爆発的に普及をしているときの話だ。
    今、電波事情が多少悪いからと行ってそうはならないだろうが、少しでも不便だとMNPを使って他社に簡単に移動できるのが今のケータイ事情、手を広げすぎて収拾がつかない、簡単にユーザーを切り捨てないようにがんばってほしい。
    通信の品質低下は致命的なのだから。

  • tknriiiiの気になった記事 2011-12-26

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