2012年、日本メーカー各社もそろそろ新しいモデルの作成が軌道に乗り始めた頃、HTCがグローバルモデルをさらに高性能化したモデル、HTC Jを発売した。
これは、ガラケー機能と言われていたおサイフケータイやワンセグなどを搭載したフルスペックモデルで、日本メーカーの独壇場であったところに外国企業が入り込んできた事になる。
さらに、秋冬モデルではSamsungがGALAXYにおサイフケータイを搭載、同時にLG電子もOptimusにおサイフケータイやワンセグを搭載してきた。
iPhoneを除く外国メーカーというとこの3社が主だったもので、それらが日本向けに端末を供給してきたこと、そして何よりも本当にガラケー機能が絶対条件ではない人が一定数以上いることから、日本メーカーもソフトウェアやハードウェアの出来の善し悪しで戦う必要が出てきた。同時に、ちゃんとした作りにできないメーカーは淘汰され、今の日本メーカーに起きている散々たる結果につながっているのだろう。
ツートップ戦略としてソニーエリクソンとSamsungを優遇したdocomo、その影響は大きく、ただでさえ売れ行きが芳しくないその他のメーカーは散々な目に遭う。
このあたりは色々なところで語られていると思うが、私の考えからすると、Samsungと似たスペックを持つPanasonicは単に仕入れ値などの問題でSamsungに負けたのではないかと思うし、シャープはdocomo一辺倒ではないが故に、優遇しづらい。富士通も同様の理由があったのではないかと思う。
対してソニエリの端末はミドルレンジ〜ミドルハイの位置づけで、ハイエンドスマホと言うほどの性能は持っていない。NECは夏モデルを発表する前から撤退の噂が絶えなかった事が理由になっているのではないか。
そして、PanasonicとNECは撤退を決定する。だが、この直後に2013年冬には他の日本メーカー2社(現時点で残っている富士通とシャープ)も優遇し、逆にSamsungを落としたスリートップとして展開するという(ソース:http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013081401001735.html)
これでは消えていったPanasonicとNECが浮かばれないような気もするが、撤退が決まったからこそ行った処置と考えると、これ以上端末メーカーにそっぽを向かれると、他社への追従どころの騒ぎではなくなってしまう。
docomoの苦しい決断なのかもしれない。また、Samsungはツートップという割にはソニエリの半分程度の売り上げしか得られなかった事から、これ以上優遇することは無意味という判断があったのかもしれない。真相は分からないが、日本メーカーの火を消さないようにするのはいいことだ。
前述したとおり、日本で一世風靡したガラケーはガラスマとして生まれ変わっていった。しかし、出遅れから競争力を失い今ではガラスマは日本メーカーのものというわけでは無くなってしまった。
基本的にiPhone押しのSoftBankとau、日本メーカーAndroid押しとなるdocomo。この三つ巴の戦いはまだまだ続くことだろう。その先に、日本メーカー不在の日本市場という寂しい未来が無いことを祈りたい。
日本の特殊な事情で生まれたガラケー、今ではそれらを生み出したメーカーがいなくなっている。かつてアナログ携帯電話で大きな市場を持っていたMotorolaが消えてしまったが如く、盛者必衰を実感することができる。
ちなみに、私はガラケー機能が必要ない人間だったのでMotorolaを買い、防水はあったほうが良かったなと、少しだけ後悔している。私のような人間は、タブレットを1台購入し携帯は防水ガラケーでというパターンがあっているのかもしれない。
このあたりについても後々書いていきたいと思う。