
Eee PCに始まったネットブックのブーム、かれこれ3年から4年くらいになりますね。
疾風のように現れて疾風のように去って行ったネットブックブーム、今はかつての勢いはなく細々と新機種がリリースされている。
一体あのブームは何だったのか、今回はネットブックについて書いてみたいと思う。
ネットブックがデビューに至った経緯
持ち運びも可能な小さいいわゆるモバイルノートはどれも高止まりしていた。
しかし、そこまで求めないが手軽に外に持ち運べるノートを求めるユーザーが一定量いたことは確かだった。
初代Eee PCは、そんなニーズに応えるべく必要最低限のスペックだけを持ち、外に持ち運べるモバイルノートを格安で提供すると言うコンセプトで開発が行なわれた。
二台目のパソコンとして利用したいユーザーや文章作成とちょっとしたネットだけしか使わないライトユーザーや発展途上国をターゲットとした製品がネットブックの本来の姿であった。
スペックは最小限に
初代Eee PCはEee PC701としてリリースされ、日本ではEee PC 4G-Xという型番でリリースされた。
CPUにはインテル製Celeron Mをクロックダウンしたものが採用され、初期のクロックは633MHzと低速だった。
使われたCeleron MはDothanコアと言われるもので、ちょうど私が持っていたThinkPad R50eが採用していたのがこの頃のCPUだ。
完全に旧世代化したCPUであり、パフォーマンスもたかがしれている。
さらに、クロックダウンさせることでスペックは劣ってしまうが、省電力化が可能でありモバイルノートとして重要なバッテリーの持続時間の向上に繋がっていく。
後にベースクロックと言われるFSBを向上させ、900MHzにて動かすEee PC701SDや900-Xというモデルもリリースされる。
ベースとなるCPUは前述の通り旧世代化したものだがレポートの作成や大きくないスプレッドシートの編集では十分なものであり、ネットで調べ物をしつつレポートを書くと言う学生などには十分なもので、価格も5万円を切るという当時としては驚異的な価格であった。
SSDやHDDではなく、基板上にメモリーチップを搭載するなど、徹底的にコストを下げる事で安価にしたが、同時に肥大化するOSには対応ができない状況にも陥っていた。
そこで、OSはすでにwindows Vistaがリリースされているにもかかわらず画面解像度を低く設定しCPUやストレージに制限をかける事でWindows XPの搭載を可能とさせ。安価でそこそこ動くという条件をクリアーする事に成功している。
すでにデスクトップリプレースなどと言う、据え置きノートでは価格破壊が起きていたが、軽量コンパクトなノートを低価格化させたのはこのEee PC、ネットという市場だろう。
そうはいっても所詮は…
スペック的には二世代、三世代前のCPUなので最初に買うパソコンとしては適切ではない、ネットも流行のブラウザゲームやFlashが多用されているサイトでは残念ながら描画が遅く、実用的とは言いがたいものだった。
また、日本語環境では処理がさらにもたつき、場合によっては漢字変換にもたつくことなども起きていた。
特に辞書のサイズが大きいATOKなどではその現象が顕著であった。
最低限の事ができればいい、しかしメインマシンで利用している快適な環境の一部を持ち込むことで最低限の事すらおぼつかない、そんなくずPCとレッテルを貼られることも少なくはなかった。
と言うのも、ネットブックを購入するのがいわゆるヘビーユーザーと言うか、ばんばんに使いこなすユーザーが多かったことも不運だったのかもしれない。
ただ、それらユーザーは「使い勝手が悪ければ改造すればいい」とメモリーの増設や内蔵ストレージのチップの貼替え、あげくにはメモリーストレージにありがちなフリーズを解消するためにRAMディスクを利用するなど工夫を重ねていた。 … 詳細は続きをご確認ください…

